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4  韓 国         Republic of Korea

韓国経済のこれまで

<2008年の経済>
  2008年の経済成長率は、4%弱となる見込みである(政府見通し3.6%、民間機関24社の平均4.2%(08年12月時点))。
  08年前半の経済は、民間消費と設備投資を中心とした内需の減速とともに、07年まで成長をけん引してきた輸出にも減速の兆しがみられ、1〜3月期の成長率は、前年同期比では5.8%と前期と同程度を維持したものの、前期比年率では3.3%と鈍化した。4〜6月期は、ウォンの減価の影響から輸出が堅調に推移した一方、インフレの加速等により内需は更に減速し、前年同期比4.8%(前期比年率3.4%)となった。7〜9月期になると、世界的な景気後退を背景に外需が急速に落ち込み、経済成長率は同3.8%(同2.1%)まで減速し、実質国民所得(GNI)も前期比年率▲13.8%と97年のアジア通貨危機後で最低の水準となった。失業率をみると、おおむね3%程度で推移しているが、11月には3.3%と若干上昇している。また、08年前半から半導体を中心にIT関連材の在庫が積み上がっており、生産の下押し圧力となっていることも踏まえると、当面は、生産及び輸出の減少により国内経済は弱い動きが続くことが予想される。

韓国の主要経済指標

<2009年の経済見通し>
  2009年の経済成長率は、世界的な需要減少に伴いIT関連財や自動車等を中心に生産及び輸出が減少することに加え、民間消費や設備投資が更に弱い動きとなることが予想されることから、2%程度の経済成長率となると見込まれる(政府見通し3.0%前後、民間機関24社の平均1.9%(08年12月時点))。内需と外需の双方の落ち込みによって国内経済の悪化が深刻となり、雇用環境の悪化に伴う失業率上昇が懸念される。

<財政金融政策の動向>
  財政政策については、韓国政府は、年前半の物価上昇への対応策として、08年6月に原油高克服総合対策を発表し、10月から12月にかけて約3.5兆ウォンの石油価格還付金を支給したほか、9月には所得税や法人税の減税等を盛り込んだ税制改革推進プランを発表しており、両者を併せると過去最大規模となる減税政策(5年間で26兆ウォン減免)を実施している。また、9月以降の世界的金融危機に伴う国内経済の減速に対する景気刺激策としては、11月に中小企業支援や低所得層福祉支援、民間設備投資拡大等を内容とする14兆ウォン規模の総合経済対策及び建設業界の流動性支援を内容とする9兆ウォン規模の不動産対策を打ち出した。12月の国会では、これら景気対策を一部盛り込み、所得税減税、インフラ整備及び雇用創出等に重点をおいた約284.5億ウォンの09年度予算案(08年当初予算より約11%増)が可決された。
  金融政策については、韓国銀行は、年前半の物価の高騰への対応として、8月に政策金利(08年3月に、コールレート翌日物誘導目標水準から韓国銀行及び金融機関のレポ取引を基準とした韓国銀行基準金利に変更)を0.25%ポイント引き上げ5.25%とした。しかし、世界金融危機により、10月には引下げに転じ、12月現在では過去最低水準の3.00%としている。消費者物価上昇率(総合)をみると、7月の5.9%をピークに、11月には4.5%まで低下しているが、依然として韓国銀行の設定する物価安定目標(前年比3.0%±0.5%)を上回って推移している。ウォンは、金融危機の影響により9月から急落しており、政府及び韓国銀行は、ウォンの減価への対策として、7月以降の為替介入の実施に加え、10月に銀行の対外債務保証や市場へのドル供給の拡大等を内容とする金融安定化策を打ち出したほか、FRBとのスワップ協定の締結とその活用、チェンマイ・イニシアチブにおける中国及び日本との間の通貨スワップの資金枠拡大等を推進しており、金融市場の安定化に努めている。(第2章第3節コラム2-3参照)


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