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13 ユーロ圏     Euro Area

<2005年>

ユーロ圏経済のこれまで

<2006年の経済>
 2006年の経済成長率は2%台半ば程度となる見込みである((欧州委員会の見通し2.6 %(06年11月時点)、民間機関26社の平均2.4%(06年10月時点))。民間機関の見通しは半年前(06年4月時点1.9%)に比べて上方修正されている。
 ユーロ圏経済は、世界経済の回復を背景に、06年に入り回復ペースを速めている。経済成長率は、1〜3月期が前期比年率3.1%、4〜6月期が同3.8%と、2.0%程度といわれる潜在成長力を上回る水準で推移している。
 世界経済の回復に伴う海外からの受注増によって、外需に主導された回復が内需へと広がっている。また、ドイツを中心とした主要国の景気回復が域内周辺国へも波及し、全体として企業の設備投資にけん引され、06年に入って景気の回復が力強くなっている。
 好調な企業部門によって失業率は低下している。しかし、グローバル競争の激化によるコスト圧縮の動きの中で労働分配率は伸び悩んでおり、ドイツを中心に消費の伸びは緩やかなものになっている。年初より2%を上回る水準で推移していた消費者物価上昇率は、原油価格の下落を主要因に年後半には大きく下落し、「2%に近いが2%以下」というECBの参照値近傍で推移している。
 通貨ユーロは、(1)景気回復、(2)欧州の金利先高感、(3)外貨準備通貨のユーロシフト等を背景に、名目実効為替レートで年初より約5%増価した。

ユーロ圏の主要経済指標

<2007年の経済見通し>
 2007年の経済成長率は、2%程度となる見込みである(欧州委員会見通し2.1%、民間機関26社の平均1.9%(06年10月時点))。
 主要国のドイツ等で企業部門のリストラが進み、収益率が回復していることから、今後も設備投資にけん引され、内需が主導する形での成長が続くと見込まれる。07年からのドイツの付加価値税増税による影響が懸念されるものの、雇用・所得環境の改善を受けて家計のコンフィデンスは回復しており、消費の伸びは緩やかに持続していくものとみられる。
 こうした見通しに対する下方リスクとしては、アメリカ経済の急減速が生じた場合における圏内経済への悪影響、原油価格の再高騰、金利が急上昇した場合に一部加盟国で高い家計債務残高や変動金利ローン等を背景に消費や住宅投資が落ち込む可能性等が挙げられる。

<金融政策の動向>
 欧州中央銀行(ECB)は、2005年12月に政策金利(短期買いオペの最低応札金利)を2年半ぶりに0.25%ポイント引き上げ2.25%とした後、06年3月及び6月にさらに0.25%ポイント引き上げ2.75%とした。その後、それまで3か月おきであった利上げのスピードを加速し、06年8月及び10月に0.25%ポイント引き上げ3.25%とした。ECBのトリシェ総裁は、11月の政策理事会後の記者会見において、「物価安定に対する上向きのリスクに対して依然強い警戒が非常に重要であることを確認した。政策金利は依然として低い水準にあり、我々の政策は引き続き緩和的である。我々の想定通りだとすれば、現在の金融緩和政策を今後さらに解除していくことは正当化される。」と述べ、経済成長に対する強気な姿勢と物価動向に対する警戒感からさらなる利上げの可能性を示唆した。


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