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12 インド     India

<2004年>

インド経済のこれまで

<2005年の経済>
 2005年度の経済成長率は、7%程度となる見込みである(政府見通し7%程度、民間機関6社の平均7.0%(05年10月時点))。民間機関の見通しは、半年前(05年5月時点6.7%)に比べて上方修正となっている。05年4〜6月期の経済成長率は前年同期比8.1%と高い伸びとなった。GDPの約2割を占める製造業や、ソフトウェア産業等サービス部門の好調により、景気は堅調に推移している。
 インドでは、農林水産業がGDPの約20%を占め、天候と農業生産が経済成長率に大きな影響を及ぼす。05年は例年に比べ雨季の始まりが遅く、4〜6月期は農産物の出荷が大きく伸びなかったが、7月以降は雨量の増加により収穫期の農業生産の増加が見込まれ、農業部門がGDPの押上げに寄与するとみられる。

インドの主要経済指標

<2006年の経済見通し>
 06年度の経済は、6%台半ば程度の成長が見込まれる(民間機関6社の平均見通し6.7%(05年10月時点))。
 成長を支える要因としては、堅調な輸出や内需の拡大、製造業や情報関連産業の伸びが挙げられる。
 下方リスクとしては、原油価格の高騰や、外資規制の緩和と国営企業の民営化の遅れによる外国からの投資の停滞等が挙げられる。また、GDPに占める農業の比重が大きいため、依然として天候要因に経済状況が左右される懸念もある。

<財政金融政策の動向>
 財政政策をみると、05年度予算も前年度に引き続き、地方インフラ整備、農村開発重視、低所得者層の課税負担軽減措置等、貧困層に配慮した内容になっている。具体的な税制改革としては、法人税や関税等の税率を引き下げ、女性や高齢者を中心に所得税の非課税枠を拡大する一方、サービス税の課税対象事業を広げた。また、付加価値税(VAT)を州税から新たに連邦税として組み替え、一部を除きほぼ全ての商品・サービスに対し12.5%が課税されることとなった。VAT導入により、税体系の簡素化・二重課税の防止が図られることが期待されている。また財政赤字のGDP比(目標値)は、4.3%(04年度の実績は4.5%)に設定され、税収増によって財政赤字を漸進的に削減する方針が示されている。
 金融政策については、インド準備銀行は10月25日、原油高を背景にインフレ圧力が高まっているとして、翌日物レポレートを5.0%から5.25%へと引き上げた。政府は国内のガソリン価格を抑えるため、国営の石油関連企業に補助金を支出しているが、原油価格が前年比で50%上昇したため、6月にガソリンやディーゼル油の小売価格の値上げを行い、9月にも再度値上げを実施した。これを受け足元で卸売物価が上昇傾向にあり、警戒感が示されている。インド準備銀行は、適度な利上げにより物価上昇を抑える姿勢を示すことが、安定的な成長につながると判断し、今回利上げを行ったと説明している。


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