<2002年の経済>
2002年の経済成長率は、6%程度となる見込みである(政府見通し6%、民間機関25社の平均5.9%(2002年10月時点))。2001年の景気減速の後、2002年に入ると民間消費や建設投資が堅調に推移したことから、4〜6月期の実質GDP成長率は6.3%増(前年同期比)となり、景気は拡大している。年後半については、過熱気味の民間消費がやや鈍化しているものの輸出が回復していることから、前半並みの成長が続くと見込まれる。民間機関の見通しは、半年前(2002年4月時点4.5%)に比べて上方修正されている。
<2003年の経済見通し>
2003年は景気はやや減速するものの、5%超の成長が見込まれる(中央銀行見通し5%、民間機関25社の平均5.5%(2002年10月時点))。
成長を支える要因としては、民間消費の伸びが緩やかになると見込まれるものの、輸出や設備投資の増加が成長を支えると見込まれる。
下方リスクとしては、アメリカ経済の回復の遅れによる輸出の鈍化や不動産価格上昇等による物価の上昇等が挙げられる。
<財政金融政策の動向>
財政については、97年の通貨・金融危機以降財政赤字が続くなかで、政府債務の増加が続いていたが、2000年に黒字に転じ、その後も黒字が続いている。2002年になると、景気の拡大を受けて、政府は上半期における予算の支出割合を当初予定の53%から50%にまで減らした。また、個人消費を牽引してきた自動車に対する特別消費税の引下げ措置(7〜14%→5〜10%)も、8月末で予定通り終了した。景気対策としての補正予算は、8月末の台風の被害が甚大だったことから、9月に4.1兆ウォンが編成された。政府は2003年度予算について均衡財政を目指している。
金融政策については、2001年9月以降金利は据え置かれていたが、韓国銀行は5月、家計向け貸出の急増や不動産価格の高騰を背景に、インフレ予防を目指しコールレートの誘導水準を0.25%ポイント引き上げ、4.25%とした。インフレターゲット(2002年は3.0±1%)の基準となるコアCPIをみると、3.0%付近で安定しているが、第3四半期になると再び首都圏でマンション価格が高騰していることから、韓国銀行はさらなる利上げも視野に入れている。しかし、アメリカ経済の回復の遅れなど、景気の先行きに不透明感が生じていることから、これまでのところ利上げは見送られている。