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4.地域消費型産業の行方

(地域消費型産業の状況)

次に、地域消費型産業についてみておこう。地域消費型産業の内容は、人口構成の変化等の経済社会環境の変化に伴って変容する。次節で触れるが、高齢化が進行し人口構成が変化すると、それに伴って需要される財・サービスが変化することとなる。そうした需要を充たすだけの供給体制が整っているのかは、今後の地域の産業構造を考える上でも重要なポイントとなる。

第3-2-14図は、第3次産業の構成比を帯グラフで示しているが、これによれば、関東地域では金融・保険・不動産や情報通信業の比率が高い一方、四国や東北地域といった地方部では、公務や電気・ガス・水道のほか、医療・保健・社会保障・介護分野のウェイトが顕著に高い。人口の高齢化が進行すれば、特にこの最後の医療等関連分野のニーズがさらに高まることが予想される。

第3-2-14図 第3次産業の部門別構成比
第3-2-14図 第3次産業の部門別構成比
(備考)
経済産業省「平成17年地域間産業連関表」及び各経済産業局「平成17年地域産業連関表」より作成。

(高齢化と介護サービス需要)

高齢化の進行がもたらす消費需要への影響として、ここでは介護サービスを取り上げてみよう。厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」のデータを用いて、各地域の訪問介護及び通所介護サービスの利用者数の対人口比率を介護サービス利用率とし、これの老年人口比率との相関をみたのが、第3-2-15図の左図である。これをみると、両者には正の相関があり、高齢化が顕著に進行している東北や四国地域等の地方部で介護サービスの利用率が特に高い。

第3-2-15図 高齢化と介護サービス需要の関係
第3-2-15図 高齢化と介護サービス需要の関係
(備考)
  1. 総務省「国勢調査」、「人口推計」、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」により作成。
  2. 介護サービス利用者は、訪問介護、通所介護の利用者数の合計。
  3. 括弧内はt値。
  4. 地域区分はA

しかし、これは都市部で介護サービスの需要が低いことを意味しない。つまり、首都圏等の都市部では、老年人口比率の上昇は比較的緩やかだが、老年人口の数自体は急速に増加しており、これに伴い、必然的に介護サービスのニーズも高まっている。右図の散布図は、介護利用者数の増加率と老年人口の増加率の相関をみたものであるが、明確な正の相関が確認できるとともに、この比較では図中の右上に南関東、近畿及び東海地域といった都市部が位置する。したがって、都市部では、介護サービス需要の規模そのものは、地方部に比べても急速に拡大しているのであり、都市部において、介護サービスの供給力を拡充することが急務である。なお、首都圏における高齢化については、改めて補論2にて考察する。

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