第1章 輸出と政策の影響を受けた地域経済
我が国の景気は、2009年春頃から輸出と経済対策の効果にけん引されて持ち直してきた。2010年夏にはこれに猛暑効果も加わったが、一方で輸出の弱さが次第に明確となるとともに、急激な円高がマインドに影響を及ぼし、秋以降、景気は足踏み状態にある。その後、猛暑効果の反動や環境対応車購入補助金制度(以下、「エコカー補助金」という)の終了の影響も景気の下押し要因となった。こうした中で、失業率が高水準で推移するなど、雇用面でも厳しい状況が続いている1。
本章では、景気全体がこうした動向を示す中で、地域経済がどのような状況にあったのかを、企業、雇用、家計の各分野ごとに分析する。
1.以上の詳細については、内閣府政策統括官室(経済財政分析担当)「日本経済2010-2011」(2010年12月)を参照。