第3章 第1節 2.地域間の「結輪」

[目次]  [戻る]  [次へ]

地元の地域資源を活かそうとしている地域同士が連携し合い、個別に奮闘するのみならず、相互に活性化を図る事例もみられる。B級ご当地グルメを一堂に会して毎年行っている「B-1グランプリ」は、マスコミでも広く取り上げられるなど、すでに知名度を上げつつあるが、地元外での周知度の高くない地域資源を多数持ち寄り、イベント化することで、全体の活性化に資する好事例として挙げられる。

NPO法人「日本で最も美しい村」連合では、小さな市町村同士が結び付き合うことで自らのブランド化を図ろうと試みている。この連携の動きは、フランスで始まり、イタリア、ベルギーなどが参加している「世界で最も美しい村」連合を参考に、2005年に北海道美瑛町(びえいちょう)、徳島県上勝町など7町村で開始された。人口がおおむね1万人以下であること、景観、文化などの地域資源が2つ以上あることなど、いくつかの参加条件が課せられているが、参加町村は徐々に増え、現在18の自治体及び地域が参加している。相互に切磋琢磨し合い、個々の魅力を磨くことで「日本で最も美しい村」のシンボルマークを、世界でも通用する観光地や文化地域としての目印にすることを目標としている(フランスでは既にガイドブックや地図に載るほど有名な活動に成長)。参加数が増えるにつれ、いかにブランドの質を高め、国内外に周知するのかなどの課題はあるものの、相互に地域資源を高め合おうという試みに期待が持たれる。

[目次]  [戻る]  [次へ]