第2部 第2章 公共サービスの民間開放-指定管理者へのアンケートから-<要約>
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1.公的部門の効率性の追究
- 90年代後半から急速に公的部門に民間部門の参入を確保するための制度の整備が進む
→PFI法、指定管理者制度、市場化テスト法
2.アンケート調査の概要
- 対象は、都道府県、県庁所在地の市、政令指定都市において、公募による選考を経て指定管理者となった団体:1,583団体(回答団体は734団体)、対象施設は2,412施設
- 対象施設別には、民間企業25%、公共団体46%、共同企業体15%、NPO5%
- 民間企業の内訳は、建設、不動産、スポーツ施設管理、建物サービス、警備等
総従業員数50人未満が半数程度
- 民間企業は本業に近い業務に参入
- 3/4の団体が、担当施設が同一市内に立地、公募に地域要件を課しているのは半数程度
3.公募に当たって
- 参入理由は、民間・公共を問わずに「自己のノウハウの活用」が最も多い
- 事前に、審査基準が「明確に」「おおまか」に明示されていたものは80%程度
- 審査に当たって、第三者の関与があったのも80%程度
- 審査結果の開示は、「総合得点のみ」「結果のみ」通知されたケースが合わせて半分程度
- 公募上の問題点は、民間・公共を問わずに「書類の煩雑さ」を挙げる団体が最も多い
4.運営に当たって
- 運営に携わる職員のうち、正規職員の割合は、民間・公共を問わず5割程度
- 指定管理者制度に移行する前に雇用されていた職員を継続して雇用するケースも
- モニタリング体制は行政による関与が8割程度、第3者によるモニタリングは20%程度
- リスク管理規定は85%程度で規定済、多くは「ケースバイケース」や「起こってから協議」
- 3/4の団体が、利用者から「大変」「おおむね」評価
サービスの向上した点は「専門知識を持つ職員の配置」が多い
- 参入後の感想は、「期待どおり」が2割、ビジネスチャンスの拡大した点としては、「本来業務と合わせた効果の発揮」や「他社との協力関係の強化」。「失望」は1割で、最たる理由は「委託金額の安さ」
5.今後の業務継続
- 70%が今後も業務継続意志を持ち、理由として「仕事量の確保」を挙げる団体が多い
6.いくつかの効果の試算
- 民間シンタクンクによる試算→ a) 一部施設に限定:2兆円、b) 全施設が対象:10.5兆円
- 指定管理者制度の対象となりうる施設に勤務する地方公務員定数は31.4万人(地方公務員定数の10.7%)
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