第1章 第1節 地域における人口減少と少子高齢化 <要約>
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1.人口減少と少子高齢化の現状
- 都道府県別にみると、80年から90年にかけて8県が、90年から2000年にかけて16県が人口減少。
- 都市をみても、同2期間で人口増加した都市の割合が小さくなっている。
- 90年代の人口増加都市は大都市の周辺都市という特徴。人口減少都市は農業や漁業といった基幹産業の不振が響く。
- 就業構造をみると、人口増加都市はサービス業と卸・小売業、飲食店の寄与が大きく、人口減少都市では農業や製造業がマイナスに寄与。
- 将来推計では、05年に北関東、東海、近畿、九州で人口減少局面入り、2015年には南関東も減少へ。
2.構造変化の進む地域経済
(1) 制約要因の高まり
(雇用部門の構造変化)
- 労働力率は全地域で低下、男性より女性のほうが低下幅が小さい。
- 将来的には生産年齢人口(15~64歳)が減少。2010年の予測では10年前と比べて、平均4%減少。
- 60代前半とニートの活用を視野に。労働市場への参入が進めば、労働力率押上げ効果が見込まれる。生産年齢人口減少の緩和要因に。
(財政制約の高まり)
- 高齢化の進行に伴い、民生費が増加。地方財政の制約要因が高まる。
(2) 新たな市場の可能性
- 高齢者の消費をみると、携帯電話やテレビへの支出が堅調であるとともに、スポーツ月謝など生活を楽しむための消費も増加。
- 消費のサービス化は全地域で進展。
- フィットネスクラブやエステティック業も大きな市場規模を獲得。
- 高齢者世帯の居住形態をみると、マンション住まいがおおむね全地域で増加。
- バリアフリー住宅は全国で約4割。高齢化率と緩やかな相関がみられ、高齢化の進行とともにリフォーム市場の活性化も見込まれる。
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