第2部 第1章 第1節 緩やかな回復の進む地域経済 6.
6.マインド面でのばらつきはなくなってきている
今までは、統計からみた実態面での景気を分析してきた。
しかし、生産や売上などの数字には表れない人々の景況感はどうなっているのであろうか。内閣府「景気ウォッチャー調査」でマインド面をみてみよう。
景気ウォッチャー調査の現状判断DIをみると、景気基準日付に先立って、2001年10月に、底をつけてから、2002年中は中だるみがみられたものの、2003年半ばから総じて改善傾向にある。とりわけ、2003年10月には今回の回復局面に入って初めて、横ばいを示す50を上回った。その後も順調に回復し、2004年4月には現状判断DIが過去最高の55.7を記録している。また、地域別にみても、2004年4月には初めて現状判断DIが全11地域で50を越えるなど、景況感の回復がみられる。
直近の現状判断DIを1年前と比較した場合、どのようなことが言えるであろうか。
各月のDIは特殊要因等で大きく振れることがあるので、ある程度平準化するために、昨年の7-9月期と今年の7-9月期の平均値を比較する(第2-1-1(7)図)。
これによると、沖縄を除いて、現状判断DIは全地域で改善している。また、7つの地域で50を超えている。
さらに、2003年7-9月期の標準偏差は4.06であったのに対し、2004年7-9月期のそれは1.82となっている。つまり、マインド面からみた地域の景気回復のばらつきは縮小してきていると言える(3)。
以上の分析から、地域の景気は、実態面でのばらつきはあるが、景気回復が徐々に浸透しつつあると言える。