第2部 第1章 第1節 緩やかな回復の進む地域経済 1.
1.地域経済動向からみた地域経済
地域の景気をみると、2002年に入って、多くの地域で下げ止まりから持ち直しに向かっていた。その後、生産の勢いが鈍化したことや欧米向けの輸出が弱含んだことから、2002年後半から2003年前半にかけてやや中だるみがみられた。しかし、内閣府の「地域経済動向」では、2003年8月に生産の増加した東海を上方修正したのを契機として、11月には7地域で生産の増加や雇用の改善等を背景に上方修正し、その後も2004年2月には4地域、5月には2地域、8月にも2地域を上方修正した。また、判断を下方修正した地域は1つもなかった。
この間、東海は2003年8月、11月、2004年2月、5月と4回連続で上方修正し、現在は「力強く回復している」と判断している。一方で、北海道は2003年5月以降、「やや弱含んでいる」という判断から変更していない。その他の地域をみると、中国が3回上方修正、北陸と近畿は2回上方修正、東北、北関東、南関東、四国、九州は1回上方修正、沖縄は変更なしとなっている。
これをまとめたものが第2-1-1(1)図である。
地域ごとの判断に差がみられること、及びその変更の回数に差がみられることは、生産の好調さや雇用の改善の度合いに起因するものと言えるが、この点は以下の節で詳述する。