第２章 地域別にみた経済情勢 北関東
１．主要経済指標の対全国シェアの推移
２．産業・就業構造
（１）域内総生産に占める産業別構成比の推移
（２）就業構造の変遷（産業別構成比の推移）
（３）北関東地域の特徴
域内人口は１，０１０．９万人（２００３年）で、対前年比０．０１％減少した（６５歳以上人口の比率は１９．６％）。域内総生産は３８．９兆円（２０００年度）で対前年度比０．８％増加し、製造品出荷額等は３２．４兆円（２００２年速報）で対前年比５．５％減少した。主な指標の対全国シェアの推移をみると、域内人口が９５年と２００３年、域内総生産が９５年度と２０００年度、卸売販売額が９４年と２００２年の比較においてそれぞれおおむね変化はない。小売販売額は同時期間の比較において上昇した。
域内総生産に占める産業別構成比をみると、２０００年度においては、全国に比べて製造業の割合が高く、卸売・小売業、サービス業、運輸・通信業、金融・保険業、不動産業の割合が低い。９０年度からの構成比の推移をみると、サービス業、不動産業、金融・保険業は構成比が上昇したが、建設業、製造業、卸売・小売業は構成比が低下した。運輸・通信業は、９５年度との比較では低下したが、９０年度と比較するとほぼ同水準となっている。
就業者の産業別構成比の推移をみると、製造業は低下しているものの、卸売・小売業、飲食店、サービス業は上昇している。建設業は９５年までは上昇していたが、２００２年には低下している。
３．２００２年度から２００３年央までの経済動向
２００２年中は、住宅建設の減少が続いたものの、大型小売店販売額の減少幅がやや縮小し、鉱工業生産は緩やかな増加を続けるなど景気は緩やかな持ち直しを続けた。２００３年前半は、大型小売店販売額はおおむね横ばいとなり、携帯電話向けの半導体製造装置が弱含んだことなどから鉱工業生産もおおむね横ばいとなり、有効求人倍率は引き続き持ち直しの動きが緩やかとなるなど、景況は持ち直しの動きが続いている。
- 生産活動：鉱工業生産（関東全域）は、２００２年中は緩やかな増加を続けた。電気機械では、パーソナルコンピュータの不振を理由に減少に転じ、化学では、アジア向け外需を中心に増加が続き、一般機械では、一進一退の動きが続き、輸送機械では、引き続き輸出を中心に好調なほか、内需でも新車投入効果がみられ、堅調に推移した。２００３年４－６月期には、一般機械、情報通信機械では、携帯電話の新機種導入に向けた切り替え時期を理由に減少に転じ、化学では、SARSの影響により中国向け輸出が減少し、輸送機械では、北米向けの輸出が減速して、鉱工業生産はおおむね横ばいとなっている。
- 個人消費：大型小売店販売額は、２００２年中は、天候不順等から季節衣料が伸び悩み、前年を下回る状況が続いたが、飲食料品が好調だったことから、９月、１１月にはプラスに転じるなど、減少幅はやや縮小した。２００３年４－６月期は、天候不順の影響を受けたが、おおむね横ばいとなっている。百貨店では、２００２年４－６月期に衣料や飲食料品が好調だったことから回復がみられたが、その後はおおむね横ばいとなっている。スーパーでは、２００２年中は、健康志向食品を中心に飲食料品が好調で、減少幅はやや縮小した。２００２年１１月にはBSE問題により低迷していた牛肉の反動増などによりプラスとなったのち、２００３年に入り、おおむね横ばいとなっている。乗用車新規登録・届出台数は、２００２年には新車投入効果により小型車を中心に増加した。２００３年４－６月期には効果も一巡し、グリーン税制の駆け込み需要の反動減もあり、トラックが排ガス規制による買い替え需要で好調だったものの、前年を下回っている。
- 建設活動：新設住宅着工戸数は、分譲の動きにより、２００２年中は前年を下回っていたが、２００３年に入って下げ止まり、４－６月期には前年を上回っている。公共工事請負金額は、２００２年４－６月期には前年を上回ったものの、それ以外の四半期では前年を下回っている。
- 設備投資：２００２年度は、非製造業がほぼ同水準であったものの、製造業が大きく下回ったため、全産業では前年度を下回った。２００３年度計画は、非製造業が前年度を下回っているものの、製造業が前年度を上回っているため、全産業では前年度とほぼ同水準になっている（関東全域）。
- 雇用情勢：２００２年は、完全失業率が前年を上回り、有効求人倍率は緩やかに上昇するなど、雇用は厳しい状況ながらも、持ち直しの動きが続いた。２００３年に入っても、有効求人倍率が引き続き上昇し、持ち直しの動きが続いているものの、完全失業率は前年を上回っている。
- 企業倒産：２００２年の企業倒産件数は減少した。２００３年に入ると、減少幅は縮小し、４－６月期には前年とほぼ同水準となっている。
４．「景気ウォッチャー調査」にみる北関東地域の景況
- 現状判断DIは、２００２年３月から９月まではおおむね横ばいで推移したが、１０月以降緩やかに低下し、２００３年１月には３２．４まで下がった。その後、緩やかな上昇に転じ、２００３年９月には、４６．２まで上昇している。
現状判断DIの推移
５．北関東地域の主要経済指標
