第1章 第1節 緩やかな持ち直しの状況が続いた地域経済 3.

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(3) 弱い基調の続いた住宅投資

住宅投資は、2001年に続き2002年においても減少が続いた。GDP ベースの住宅投資(実質)は、2001年に前年比5.5%減少したあと2002年にも同4.8%減少した。新設住宅着工戸数をみても、2002年には前年比1.9%減少の115万戸となり、2年連続して減少した。

新設住宅着工戸数を地域別にみると、2002年には南関東と沖縄を除く9地域において減少した(第2-1-4図)。特に、北関東、北陸、東北、九州、近畿、北海道、四国の7地域においては3年連続して減少した。また、東北、北関東、東海の3地域においては、2001年よりも減少幅が拡大した。これを利用関係別にみると、持家と分譲住宅がすべての地域において減少したなかで、北海道、南関東、近畿、四国、中国、九州、沖縄の7地域においては貸家が増加し、そのうち持家などの減少が比較的小さかった南関東と沖縄において総着工戸数が増加した。

2003年の前半には、中国、九州、東海、北関東の4地域において2四半期連続して前期比増加が続き、全国計でも新設住宅着工戸数は2四半期連続して増加した。これには、住宅ローン減税縮小や住宅ローン金利上昇前の駆け込みという一時的な要因も関係しているものの、東海、沖縄において貸家が増加し、北関東、南関東、北海道、四国において分譲住宅が増加するなど、地域によっては下げ止まりの兆しもみられる。しかし、東北と近畿においては新設着工戸数の前年比減少が続くなど、地価の下落傾向の継続と厳しい雇用情勢などを背景に、住宅投資については依然として弱い基調が続いている。

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