第2章 地域集積を活用している成長企業の事例[事例13]

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[事例13]K 株式会社(愛媛県伊予三島市)

パルプ・紙・紙加工品製造業

[産業集積のメリット]

  • 自社だけで対応できない受注案件を他企業に相互に紹介

[企業概要]

  • 資本金1,000万円、従業員数49→49→50人(2001→2002→2003)
  • 売上高1,996→2,202百万円(10%、2001.5→2002.5)

折紙

折り紙、封筒、スケッチブック、らくがき帳、便せん、油こし紙など紙製品の自社製造を主力に、外注加工による金封、祝儀袋、書道半紙、ウェットティッシュなど紙製品の卸売を行っている。

設立の経緯は、和洋紙の販売を目的に66年11月に個人創業し、その後、大手製紙メーカーの下請として原紙の断裁加工を行うようになり、業容の拡大を考慮して68年6月に法人化し、今に至っている。

71年ごろには事業継続の危機に直面したものの、74年の第一次石油ショックを契機に和紙が見直され、事業を立て直すことができた。

設立以来、和洋紙の卸業だけでは将来性に乏しいと考え、平版製袋機を導入して封筒の製造も行っていた。80年ごろに100円商品を扱う会社との取引が始まり、本社の隣接地を買い増して設備の増強と内製化を進めることで、商品数を増やし、高まる需要に応えてきた。

現在は、売上の成長をけん引して来た100円ショップ向けが一巡したものの、北海道から九州まで全国の量販店及び量販店関連企業に得意先が広がってきている。

会社のある愛媛県伊予三島市は、隣接する川之江市とともに製紙会社が集積する「紙の町」である。このため、紙に関する情報収集及び商品や原料の調達が容易であることが集積のメリットになっている。例えば、受注したものの自社で対応できない場合には、その案件に対応できる企業を互いに紹介する連携も行われている。

今後も、利益の確保できる商品は自社製造へ切り替えていく予定であり、低価格を理由に各卸売会社が調達している中国製品についても、現在、計画の進んでいる新工場完成後は商品内容の一新を図るとともに、小ロットでも低価格にて供給できる体制の確立を目指している。このようにして、販売ウェイトが高まってきているホームセンターや量販店向けを拡大していくことを考えている。

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