コラム2-1・2-2

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<コラム2-1> 地域金融機関の破たんと北陸地域の金融情勢

2001年以降、地域金融機関の破たん処理が相次いだ(第2-2-1図)(1) 。破たん金融機関の地域分布(本店所在地ベース)をみると、件数、貸出金合計共に関東地域が最も多いが(第2-2-2図第2-2-3図)、地域の経済規模と比較した破たん金融機関の貸出金合計が最も大きいのは、第二地方銀行1行が破たんした北陸地域である(第2-2-4図)(2)(3)。

北陸地域における銀行業態別の貸出金の増減率をみると、第二地方銀行は全国を上回る伸び率を維持しているが、2001年末以降前年を下回るようになっている。一方、地方銀行は全国並みで推移した(第2-2-5図)。

北陸地域における貸出金合計に占める第二地方銀行、信用組合のシェアはそれほど大きくなく、北陸地域と全国の企業の金融判断を比較しても、2001年末には北陸地域の悪化幅が拡大したものの、その後格差は縮小した(第2-2-6図第2-2-7図)。

<コラム2-2> 売場面積の増大がもたらすスーパー販売額の地域格差

全国のスーパーの全店、既存店別の販売額の動向をみると、スーパーの全店ベースはほぼ前年を上回る傾向にある(第2-2-8図)。これを地域別でみると、全国より大幅に増加している地域と、全国と同水準またはそれ以下の地域に分かれる(第2-2-9図)。

この原因を探るため営業日数の変化をみると、いずれの地域も営業日数を大幅に伸ばしており販売額の格差との関連性は弱い(第2-2-10表)。売場面積と販売額を比べると、販売額が大幅に増加した地域は売場面積が大幅に増加した地域であることがわかる(第2-2-11図)。

売場面積当たりの販売額は、すべての地域で同様に減少しており、売場面積と販売額の間には地域格差はみられない(第2-2-12図)。したがって、売場面積が販売額の地域格差の主な要因であったとみられる。


1) ここでは、2001年1月から2002年4月の間に、金融再生法第8条及び預金保険法第74条第1項の規定に基づき、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた地方銀行、信用金庫、信用組合を対象とする。なお、破たんした金融機関の業務については金融整理管財人による管理の枠組みの下で従来通り行われると共に、受皿金融機関が順次確保されている。

2) 全国地方銀行協会加盟銀行を「地方銀行」、第二地方銀行協会加盟銀行を「第二地方銀行」とする。

3) 以下、注釈のない限り地域区分はA。なお、2002年4月1日現在で、北陸3県に本店を置く預金保険対象金融機関数は、地方銀行4、第二地方銀行3、信用金庫22、信用組合15等となっている。

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