第2部 第1章 景況が悪化に転じた2000年度~2001年度前半の地域経済

[目次]  [戻る]  [次へ]

1.人口減少地域に流入した労働人口

各地域で人口の高齢化が進み、65歳以上の人口は全地域で増加する一方で、25歳未満人口は減少した。特に三大都市圏では、55~65歳の年齢層が大幅に増加した。人口移動を地域別にみると、北関東、北陸、中国、四国など比較的人口の伸びの低い地域へ労働移動が流入した。地域間の労働移動は地域の人口減少を緩和し、また、雇用のミスマッチを緩和した傾向もみてとれる。

2.すべての地域で大幅に上昇した完全失業率

完全失業率は、90年代に各地域で大幅に上昇した。その理由は、就業者の伸びが低下したことにあるが、女性と若年層の失業の増加も要因となっている。完全失業率の地域別格差の理由としては、女性の失業の多い地域で完全失業率が高くなっている。また、非製造業就業者の割合の高い地域で完全失業率が高い傾向がみられた。

3.拡大した職業、地域、年齢による雇用のミスマッチ

有効求職件数、有効求人件数の増減を職業別にみると、求職件数が増加した職業で、求人件数は大きく減少し、職業ミスマッチは拡大した。年齢別にみても、45歳以上の中高年齢層について、年齢による雇用のミスマッチが拡大した。地域別にUV分析を行うと、多くの地域で構造的要因による雇用失業率の上昇がみられた。

[目次]  [戻る]  [次へ]