平成3年
年次世界経済報告 資料編
経済企画庁
II 1990~91年の主要国の政策動向
第12章 その他アジア
91年6月に,1991年から2000年までの長期経済指針として「第2次長期総合計画」が発表された。
この経済計画では,これまでの計画と同様に,民族間の所得分配の公平化は重視されているが,従来以上に経済全体として民間経済部門の役割を高めることを重視している。新経済計画(1971~1990)で大きな目標であったブミプトラ(マレー人)の経済的地位の向上に関しで,ブミプトラ保有資本30%という量的な目標が消え,今回の計画では質的な充実に変化している。民間経済部門の役割の強化については,財政投資や政府機構の肥大化を抑制するだけでなく,公的部門の民営化,整理・統廃合が優先度の高い課題となっている。また,民間経済部門のなかでも製造業の拡大は,その中心をなすものと期待されており,今後10年間にGDPに占める製造業のシェアは10%上昇し,37%になり,輸出に占める製品のシェアは20%上昇し,82%になると予想している。