平成3年
年次世界経済報告 資料編
経済企画庁
II 1990~91年の主要国の政策動向
第6章 イギリス
90年11月に発足したメージャー政権は,基本的には前サッチャー政権の政策を継承し,経済政策の主要目標をインフレの抑制に置いている。政策の具体的な手法としては,金融政策面では,ポンドをERMバンド内に維持することを主眼に金利水準を維持すること,狭義のマネーサプライ(MO)を目標圏内に維持することとしている。また,財政政策面では,公共部門の支出の抑制,民営化の推進等により,中期的には均衡財政を目標とするとしている。
対EC略策では,サッチャー前首相より柔軟な姿勢をみせている。また,メージャー首相は「生活の質の改善」を提唱し,「市民憲章」を発表するなど,公共福祉面にも力を注ぐ構えをみせている。