平成2年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1989~90年の主要国経済

第10章 アジア・中東

2. 台  湾:外需不振,内需の鈍化から経済は減速へ

(1)概  観

台湾では,86,87年と二桁の経済成長を達成した後,88年以降は元高,賃金の大幅上昇により輸出が伸び悩み,外需の寄与度がマイナスとなったため,成長率は一桁台へと鈍化している。90年に入ると,それまで好調だった内需が4月以降の株の暴落等の影響を受け鈍化したことから,経済は更に減速しつつある。鉱工業生産は,輸出の鈍化に伴って伸びが低下し,90年はマイナス成長に落ち込んでいる。貿易面では,輸出は,89年に大幅に鈍化した後,90年に入ると前年比でマイナスの伸びが続いたが,元安の影響から回復しつつある。他方輸入は,89年に金輸入減から伸びが鈍化した後,90年に入ると元の急落から更に伸びが鈍化し,減少傾向にある。物価は,89年央以降上昇テンポが鈍化したものの,90年は元安に伴う輸入価格の上昇等から高まりつつある。雇用情勢は,輸出減の影響で不振となった製造業部門で失業者が増大したため,失業率がやや高まっている。

(2)需要動向

実質GNP成長率は86,87年は二桁増と好調であったが,88年以降は元高,賃金コストの上昇等の影響から輸出が伸び悩み,純輸出の寄与度がマイナスに転じたため,88年前年比7.8%,89年同7.3%と大幅に鈍化した(第10-2-1表)。このような外需不振に対し,内需は消費,投資共に好調な伸びをみせていたが,90年に入ると外需不振の影響を受けて国内の消費,投資にも徐々に翳りがみえ始めている。特に4月以降の株価の急落が内需の鈍化に結びつき,成長率も1~3月期前年同期比6.8%,4~6月期同5.1%と更に減速する傾向にある。また,8月からの中東情勢の悪化も減速傾向を強める要因となり,成長率は7~9月期同4.1%(速報値)と大幅に鈍化した。90年全体でも前年比5.2%となる見通しである。

需要項目別にみると,実質民間消費支出は,所得水準の上昇に伴い87年以降二桁の増加を続けていたが,90年は証券市場の不振から消費意欲が減退し,1~3月期前年同期比12.1%増の後,4~6月期同8.0%増と鈍化している(第10-2-1表)。内訳をみると,家財道具(88年前年比20.0%増,89年同16.9%増)が4~6月期前年同期比11.6%増,運輸・交通・通信(同27.4%増,同26.0%増)が同12.8%増と鈍化する等,経済の好調期に大幅増となった部門で目立って鈍化している。

実質総固定資本形成は,89年は,民間投資部門が鈍化したものの政府,公営投資部門が公共投資を中心に好調だったため,前年比15.3%増となった(第10-2-1表)。90年は前年から伸び悩んでいた民間投資が1~3月期前年同期比2.3%減,4~6月期同11.1%減と落ち込んだが,政府,公営事業(国営企業等)部門への投資が大幅に増加したため全体では二桁の伸びを維持している。実質機械設備投資は89年に前年比18.1%増と高い伸びをみせていたが,90年に入り1~3月期前年同期比9.0%増,4~6月期同12,1%増とやや鈍化している。

実質輸出は,元高,賃金上昇等による国際競争力の低下から,88年以降大きく鈍化し,89年は前年比5.5%増となった(第10-2-1表)。90年は更に増加幅が縮小し,4~6月期は前年同期比2.2%の減少となった。実質輸入は,89年は前年の金の大量輸入の反動で前年比10.6%増と鈍化した。90年は,1~3月期前年同期比12.6%増と増勢は変わらなかったが,5月に元の対ドルレートが急落したため4~6月期は同2.1%増と大幅に鈍化した。この結果,外需寄与度は88,89年に引き続き,90年も1~3月期,4~6月期共にマイナスとなっている。

(3)生産動向

鉱工業生産は,86,87年と輸出の好調を背景に二桁増を維持していたが,88年からは輸出不振が影響し伸びが鈍化している(第10-2-1表)。89年も10~12月期前年同期比0.5%増と急激に増勢が鈍り,年全体では前年比3.7%増となった。90年に入ってからは更に生産が低下し,1~3月期前年同期比0.1%減,4~6月期同3.3%減と減少傾向をたどった。しかし,5月の元の急落により下半期以降は輸出が増加し,輸出受注も回復に向かっていることから,9月に前年同月比1.8%増となった後は緩やかに増加しつつある。業種別にみると,化学製品,輸送機械,非金属鉱物製品(ガラス,セメント等),造紙・印刷等では伸びているものの家具,衣服,紡績及びプラスティック製品等の労働集約的な産業は輸出不振から依然として減少傾向が続いている。

農業生産(実質GNPベース,林業,水産を含む)は,88年に前年比で0.2%増とほぼ横ばいとなった後,89年は同1.4%減と生産が落ち込んだ(第10-2-1表)。生産指数ベースでみると,89年は米の生産が前年比で1.1%増となったものの,米以外の穀物(同7.9%減),野菜(同6.2%減)の生産が減少し,農耕作物全体では前年比0.5%減となった。畜産は好調だった(前年比4.8%増)が,林業(同29.3%減),水産(同5.0%減)が共にふるわず,全体では同0.3%減となった。

(4)貿易動向

貿易をみると,輸出(通関,ドル・ベース)は,86,87年と大幅増を続けた後,88年以降は元高,賃金コストの上昇等による国際競争力の低下から急激に鈍化している(第10-2-2表)。89年は春先より韓国で労働情勢が悪化した影響で台湾へと振替受注があったことから,7~9月期は前年同期比14.0%増と好調な伸びをみせたものの,10月以降は再び鈍化した。90年に入ると増勢は更に弱まり,上半期は前年同期比0.8%減と減少に転じた。しかし,5月の元の急落が下半期に入り徐々にその効果を現し,9月以降は回復に向かいつつある。

第10-2-3表 台湾の地域別貿易

輸出先では,最大の相手国であるアメリカ向けは,88年前年比1.0%減となった後,89年は同2.4%増とやや持ち直した(第10-2-3表)。しかし,10~12月期にはアメリカ経済の景気拡大停滞の影響を受けて前年同期比0.3%減となった。90年に入ってもその傾向は変わらず,1~3月期同2.0%減,4~6月期同12.4%減と輸出減が続いている。他方,大幅な拡大を続けていた日本・欧州(イギリス,ドイツ〈旧西独〉,フランス,イタリア)向けは89年では各々前年比3.3%増,同10.0%増と鈍化した。90年は,欧州向けは1~3月期前年同期比6.0%増,4~6月期同2.6%増と更に鈍化し,他方日本向けは1~3月期同10.0%減,4~6月期同19.0%減と大きく減少している。香港向けは,89年は香港経由の大陸向け輸出が拡大(前年比29.2%増)したことから,前年比で26.0%増と好調な伸びをみせた後,PO年も好調を維持している。アセアン向けも台湾からの直接投資が増大していることの影響から,89年同33.3%増の後も,90年1~3月期前年同期比27.7%増,4~6月期同15.7%増と高い伸びとなっている。また,東欧向けが88年からの直接貿易開放以来好調で,89年前年比57.0%増となった。90年に入っても,上期で前年同期比88.6%増となる等,依然高い伸びをみせている。

商品別でみると,89年は,衣類,履物,木材製品,家電製品,玩具・スポーツ品等といった労働集約的な品目で依然減少がみられる。他方,輸送機械,紡織品,糸布類,鉄鋼製品及び電子製品等は好調で二桁の伸びとなった。90年に入ってもこの傾向は変わらず,家電製品,合板,木材製品,衣類,履物で著しい減少がみられる。

輸入は,87,88年は元高,関税引き下げに加え,アメリカから金を大量輸入した影響から4割を超える高い伸びとなった(第10-2-2表)。89年は金の輸入が20億ドル(前年は51億ドル)に満たなかったことから,前年比5.2%増と大幅に鈍化した。しかし,金を除いた品目でみても前年比13%増(前年は同33%増)に止まっている。90年に入ると,元の急落が影響し,上半期前年同期比3.9%減の後,7~9月期も同0.3%減と減少している。

輸入先では,最大の相手国である日本からの輸入が,89年では下半期以降急激に鈍化し,年全体では前年比8.1%増と一桁台の伸びに止まった。90年に入ると,1~3月前年同期比0.5%増と鈍化した後,4~6月期は同4.7%の減少となった。対欧州輸入もこれまでの高い伸び率から,89年は同12.3%増と急落した。90年は,1~3月期に前年同期比43.8%増と急増したものの,4~6月期は同6.6%増に止まった。他方対米輸入は,88年の大量の金輸入の反動から89年は前年比7.7%減となった。90年は,1~3月期前年同期比16.8%増と急増した後,4~6月期は同5.0%増と再び鈍化している。また,対香港輸入は,89年では下半期に伸びが落ち込み,全体では前年比14.3%増に止まった後,90年に入っても大幅に減少している。一方,中国大陸からの間接輸入は,89年前年比22.6%増となった後,90年も台湾側の大陸産品輸入許可品目の大幅拡大等により,好調な伸びをみせている。

商品別でみると,89年は,金が前年比で大幅に減少したことを除くと,調整食品が高い伸びをみせたほかは,総じて伸び悩みがみられ,特に輸送機械,家電製品等は大きく鈍化した。90年では,電機機器,情報・通信機器等が高い伸びをみせたが,一方で金が大幅減となったほか,鉄鋼,金属製品等も不振となっている。

貿易収支をみると,89年は貿易黒字が前年よりも拡大し,140億ドルとなっ,た。対日赤字は輸出不振から9億ドル拡大したが,対米黒字は金輸入の減少等から大幅に拡大した。90年に入ると,対米黒字が縮小する一方,対日赤字は拡大しており,全体でも貿易黒字は縮小している。

国際収支をみると,経常収支は,89年では海外渡航者の増大から貿易外・移転収支の赤字が拡大した(88年36億ドル→89年52億ドル)ものの,貿易収支の黒字拡大(88年109億ドル→89年139億ドル)から,前年と比べ黒字幅が約10億ドル拡大し,114億ドルの黒字となった。長期資本収支は,87年の外貨管理の緩和に伴い,民間資本の海外流出が増大したことから,89年は前年より更に赤字幅が拡大した(88年60億ドル→89年74億ドル)。また,短期資本収支も,元の対ドル・レートが87年の急上昇に比べ88年以降小幅な動きに止まっているため,8億ドルの赤字となった。このため,総合収支は,88年の51億ドルから89年の32億ドルへと,黒字幅が縮小した。90年に入ると,貿易黒字の縮小に加え,民間資本の海外流出や元安に伴う投機的な米ドル買い等から,総合収支は1~3月期で19億ドルの赤字,4~6月期は27億ドルの赤字となった。しかし,その後は株価下落等による国内の景気不振から海外に流出した資金が還流しており,7~9月期の総合収支は黒字へと転化する見込みである。

また,海外向けの直接投資は,87年に一部の海外投資について5年の免税優遇の適用及び対外送金の枠の拡大を行い,89年には100万ドル以下の対外投資に事後申告制を導入する等,海外投資を優遇した結果,88年前年比2.1倍増,89年同4,3倍増と大幅に拡大した。89年は,最大のシェアを占めるアメリカ向けが,台湾プラスチック・グループの化学製品製造業への大型投資があったことから,前年比4.1倍の増加となった。また,東南アジア諸国への投資も,マレーシア向けが前年比58.6倍,タイ向けが同4.3倍,フィリピン向けが同83.1%増となった。90年も,1~7月累計で前年同期比3.6倍増と好調である。地域別でみると,アメリカ向けが前年同期比84.2%増,東南アジア諸国向けが,フィリピン同16.1倍増,マレーシア同4.5倍増等好調な伸びをみせている。また,これまであまり活発でなかった欧州向けの投資は,90年に入り,イギリス向けが1~7月累計1,131万ドル(前年同期は0ドル),フランス向け同129.6万ドル(同0ドル),ドイツ(旧西独)向け同936.4万ドル(同50万ドル)と,急激に増加している。

(5)雇用・賃金・物価動向

雇用情勢をみると,就業者数は86,87年と順調な拡大を続けた後,88年は製造業等で輸出不振の煽りを受けて減少し,前年比1.1%増(811万人)と小幅増となった。89年は,金融,保険等を中心にサービス業で伸びが鈍化したものの,農林水産業の雇用者(前年比4.2%減)の減少幅が縮小し,また,前年度減少に転じた製造業でも89年は微増となったため,全産業の雇用者数は前年比1.9%増と前年に比べやや増加率が高まった。また,公共投資の増大から建設業の雇用者が増加している。90年に入ると,製造業の雇用者数が労働集約的な業種を中心に減少する一方,農業従事者が失業者を吸収する形で増加しているが,全体としては1~6月期前年同期比0.4%減とやや減少している。失業率は,86年以降低下しており,89年は88年の1.69%を下回る1.57%となった(第10-2-4表)。90年に入ると,生産不振の製造業で失業者が増大したことから,年央以降上昇し,7~9月期は2.01%と高まっている。しかし,最近の生活水準の向上,高学歴化から就業者の意識も変化してきており,労働集約的な産業,建設業では人手不足が問題となっている。これに対し,当局側は89年に大規模な住宅建設業者に対して,条件付きながら外国人(台湾よりも賃金水準の低い東南アジア諸国等)の単純労働力の雇用を認め,90年9月には,更に,外国人労働者の雇用可能範囲の拡大(公共建設工事への従事が認められる等),雇用条件の改善等を定め,従来の雇用制限を緩和した。

製造業労働者の賃金は,86年以降好成長に支えられ高い伸びを続けており,89年も失業率が低下し,労働需給のひっ迫が更に高まり,前年比14.6%増と81年以来の高い伸びとなった(第10-2-4表)。しかし,90年に入ると,景気拡大の鈍化から4~6月期前年同期比11.7%増と伸びはやや鈍化している。

物価は,85年以降の元の対ドル・レートの上昇,関税の引き下げ等から落ち着いた動きとなっていたが,88年末から89年にかけて上昇率が高まる等,安定基調にも変化が見え始めている(第10-2-4表)。卸売物価上昇率は,89年年初は上昇したものの,当局側が物価安定総合対策を実施し,また,関税の引き下げ,元の対ドル・レートの上昇があったことから,年全体では前年比0.4%の下落となった。90年に入ると,5月に元が急落し,輸入物価上昇率が上昇したことから徐々に下落幅が縮小し,7~9月期では前年同期比0.9%の上昇となった。消費者物価上昇率は,賃金の上昇等から89年に前年比4.4%の上昇と高まった。90年は,上半期は落ち着いた動きをみせていたものの,下半期に入ると食料品の値上がり等に加えて,原油価格の上昇に伴い国内の石油製品価格も値上がりしたことから7~9月期で前年同期比5.7%と高まっている。

(6)金融・為替動向

通貨供給量(M2)は,経済の高成長,外貨準備高の急増を背景に86,87年と大幅に拡大したが,以後は外貨準備高の横ばい推移,中央銀行の金融引締め策から伸びは鈍化している(第10-2-5表)。89年は,年初伸びが高まったが,4月に公定歩合が5.5%に引き上げられ,追随してプライム・レートも軒並み引き上げられたことから徐々に引き締まった。90年に入ると,証券市場の不振が影響し,8月に預金準備率の引下げ,9月にプライム・レートの順次引き下げが進められたものの伸びの低下傾向は続き,10%台の推移に落ち着いている。MlB(M2から定期預金等の準通貨を除く)も,86,87年と大幅増を続けた後,89年は前年比13.3%増と引き締まった。90年は,金融引締めに加えて,元安を見越した外貨預金への資金のシフート,金利上昇による定期預金へのシフト等から減少傾向にある。なお,中央銀行は,最近になり資金が定期性預金にシフトしている傾向に対応して,中心指標を従来のMlBからM2へと変更した。

株式市場をみると,株価は88年に続き89年も株式発行量の加重平均指数で約1.7倍の大幅な上昇となった(第10-2-1図)。90年は年初は引き続き高水準で推移していたが,政治情勢の不透明感(3月に就任した李総統が国防部長のこう氏を行政院院長〈首相〉に指名したことに対し,野党側が反対していた)や,国内の投資環境悪化を懸念しての資金の海外流出等から4月は10,000台を割り込んだ。その後,こう氏の院長就任が承認され,新内閣が成立したことを受けて6月初一時反騰したものの,全体では緩やかに下降し,8月の中東情勢による影響もあって9月末には3,000台(3月末値の約29%)に落ち込んだ。しかし,以後は10月上旬を底に上昇傾向にあり,11月には一時5,000台にまで上昇する等,4,000台の推移を続けている。

元の対ドル・レート(期末対比)は,86,87年の急騰の後,88年は1.3%の小幅上昇に止まったが,89年は7.1%と上昇し,90年は,資金の海外流出の増加等から元の先安感が強まる中,3月以降やや弱含み,5月は1ドル=27台湾元台へと急落した(第10-2-2表)。その後は中央銀行の介入から,27台湾元台での推移となっている。元の対円レートは,89年に22.4%の大幅な上昇となった後,90年は円安,ドル高から年初より高まりをみせ,上半期で2.9%の上昇となったが,その後は弱含みで推移している。

(7)経済見通し

行政院主計処は,11月に90年の経済実績見込みと91年の経済見通しを発表した(第10-2-6表)。これによると,円,欧州通貨に対する台湾元の下落から輸出が増加し,公共投資が拡大することから,鈍化していた経済も第4四半期からは回復に向かい,90年は前年比5.2%の成長を見込んでいる。91年は輸出及び民間投資が増加し,公共投資も拡大を続けることから,同6.1%と90年よりやや回復するとの見通しをしている。物価上昇率は,失業率の増大に伴う賃金上昇の鈍化から上昇幅は縮小し,また,貿易収支黒字(国民所得ベースの財・サービス貿易収支)は,89年に比べやや縮小すると見通している。

なお,経済建設委員会は,今年から実施されていた「第10期経済建設4か年計画」を中止し,新たに国家建設6か年計画を策定し,91年度から実施することとした。この計画では,産業発展システムの強化,各地域の均衡発展,生活圏建設・社会安全・公害防止による生活の質向上の三点を重要分野として挙げている。最終年度である96年度には,GNP成長率を前年比7.0%とし,物価上昇率,失業率を各々3.5%,2.3%に抑えることを目標としている。また,経済の刺激策として公共投資を年率20%を超える割合で大幅に拡大し,今後6年でインフラ整備等に総額5兆元を投入するとした。公共投資の拡大に伴い輸入が今後増加するとし,貿易黒字は縮小し96年には14億ドル(89年の10分の1)へと急減すると見通している。