平成2年

年次世界経済報告 本編

拡がる市場経済,深まる相互依存

平成2年11月27日

経済企画庁


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第1章 世界経済の持続的成長と石油価格急騰

第2節 物価上昇圧力の継続

前節で,世界経済の景気拡大が総じそ減速している状況をみたが,本節ではそうした状況め下,各国においてどのような物価動向があらわれているかをみる。

ここでは,大きく主要先進国と今展途上国に分けて物価動向を概観し,その要因について分析する。また,このところ物価上昇率に高まりがみられるアメリカについて,物価上昇の根強い要因となっているサービス価格の上昇及びその制度的背景について取り上げることとする。

1. 主要先進国の物価上昇率の動き

88年央から89年央にかけて,主要先進国の物価上昇率は高まりをみせたものの,88年央からの金融引締め政策により経済拡大が減速し財市場の需給が緩んだこと,及び89年に入り国際商品市況が弱含みで推移し(注),89年後半には石油価格の上昇も落ち着いたこと等により,89年後半以降は一部の国を除き全体としては安定した動きを示している。しかしながら,労働コストの上昇及び一部の国では財市場の需給ひっ迫感の存在など依然として物価上昇圧力は持続している。また,8月初のイラクのクウェイト侵攻による原油価格の急騰は,各国の物価上昇圧力を更に高めるものとなっている。

(消費者物価の動き)

89年後半から90年にかけての各国の消費者物価上昇率をみると(第1-2-1図),おおむね以下の3つのグループに分類することができる。まず①稼働率の低下など経済成長が鈍化傾向にありながらも,物価上昇が加速し,90年央には前年同期比で10%近い上昇率となったイギリス,②経済成長の増勢に鈍化がみられる中で,安定的に推移しつつもサービス価格を中心に依然高まりがみられるアメリカ,③89年後半から物価上昇率が低下あるいはおおむね安定していた西ドイツ,日本,フランス,カナダ,イタリアである。

(物価動向の要因)

景気拡大が総じて減速するなかで,物価上昇圧力が継続し,一部の国では現に高まっているのは,主に次の2つの要因が考えられる。第1に近年における景気め持続的拡大の中で,労働需給が引き締まり,あるいは労働生産性上昇率が鈍化したことにより,労働コストが高まっていることであり,第2に税制改革などの制度的変更である。

以下,各国の物価動向の要因についてこの2点に着目しながらグループごとにみていくこととする。

まず,イギリスについては,物価の上昇要因として①他国に比べ労働コストが上昇したこと(第1-2-2図),②90年4月に個別間接税の引上げ,人頭税導入などの制度的変更が行われたこと,③消費者物価に直接影響するモーゲージ金利の引上げが実施されてきたこと等が挙げられる。特に労働コストの動きをみると,89年から90年にかけて上昇傾向にある。これは,一部の産業における高い賃金妥結率が他産業に波及し,全体の賃金上昇率を高めるような労働市場の問題があるとともに,経済成長の鈍化により労働生産性の伸びが鈍化していることによるものと考えられる。

次にアメリカについては,主に労働コストの上昇が物価の押し上げ要因として寄与しているものと考えられる。特に賃金上昇率が比較的安定的に推移しているのに対し,労働生産性の上昇が鈍化傾向を辿っており,これが労働コストの押し上げ要因として働いていることが特徴的である。これは,労働生産性の上昇率が低いサービス産業の生産ウェイトが高まることにより労働生産性の上昇が徐々に鈍化していることも影響している。また,後でみるベネフィットコストの上昇も労働コストの上昇に寄与しているものとみられる。一方,①経済成長の鈍化を反映し,稼働率が弱含みで推移していること,②企業が輸入品との価格競争の中でコスト増を価格に反映させないように製造業を中心に利潤率を引き下げていること,及び③金融面ではインフレ抑制に留意した慎重な運営がなされており,マネーサプライの増加も目標圏内の低めで推移していること等は物価を抑制的に推移させる要因として働いている。

最後に,8月の石油価格高騰前まで物価上昇率が低下あるいはおおむね安定していた国々についてみると,フランス,西ドイツ,日本では労働コスト上昇率が低く,おおむね安定的に推移していることがわかる。これは主に西ドイツ,フラソス,日本を始めとして稼働率が高まっているものの,生産増を主因とする労働生産性の上昇がみられるため,労働コストの上昇圧力を相殺していることによるものと考えられる。一方,カナダでは89~90年にかけて労働コストは上昇しているものの,自国通貨の上昇により輸入デフレーターがほとんど上昇していないことが物価の抑制要因として働いている。また,金融面では各国とも89年を通じて公定歩合の引き上げをおこなっており,日本を除きマネーサプライの伸び率は比較的に低めに推移していることも物価の安定要因として働いていることが挙げられる。このほか西ドイツ,フランス,イタリアでは89年央以降の自国通貨の上昇が物側安定要因として働いている。一方,日本では89年~90年前半にかけて円が総じて弱含んだが,それまでの大幅な円高の下で海外からの競争圧力が高まり,コスト増が価格に転嫁されにくいなどの「輸入の安全弁」効果が持続しているため,国内物価は安定的に推移した。今後の各国の物価動向としては,労働コスト面では特に西ドイツ,イタリアで90年に入り賃金上昇率に高まりがみられることから,労働コストの上昇が懸念される。

一方需給面では各国とも稼働率がかなり高い水準で推移しており,物価上昇圧力が顕在化する可能性がないとはいえず,各国とも慎重な金融政策の運営に努めている。更に,8月初のイラクのクウェイト侵攻による原油価格の上昇は,各国のエネルギー価格を押し上げており,各国の物価上昇率はエネルギー価格を中心に高まりをみせている。最近の原油のスポット価格は,先行不透明感もあってかなりの高水準にあるが,こうした高価格が長期にわたって続けば,他の物価への波及効果が懸念される。

2. アメリカの根強い物価上昇の要因

近年のアメリカの物価動向をみると,財の価格が落ち着いているのに対し,サービスの価格は高い上昇率を維持し,物価上昇の大きな要因となっている。

ここではこうしたサービス価格の恒常的高まりを捉え,その要因を分析する。

次に,近年における社会保障税の税率や最低賃金の引き上げ等の制度的変更も根強い物価上昇要因となっていることを述べる。

(財・サービス別の物価動向)

アメリカの消費者物価における財及びサービスの物価の推移をみると,サービス価格(エネルギーを除く)は,緩やかながらも徐々に高まりをみせ,89年以降は前年同期比5~6%台の伸び率で推移しているのに対し,商品価格(食料・エネルギーを除く)はおおむね同3%台の伸び率で推移している。サービスの内訳をみると特に医療及び娯楽等その他サービスの上昇率が高いことがわかる(第1-2-3図)。以下ではサービスの物価上昇率が財のそれを上回っている要因について述べることとする。

(かい離が生じた要因)

第1に,労働コストの面で,サービス産業が製造業よりも高めで推移していることが挙げられる。統計上の制約により,ここではサービス産業・製造業を含む非農業部門と製造業部門の推移を比較することにより,サ一ビス産業の推移を類推することとする。第1-2-4図は非農業部門と製造業部門における労働コスト,労働生産性及び時間当たり賃金(生産・非監督的労働者の賃金)の変化率を示したものである。製造業では労働コストの変化率は低水準で安定的に推移しているのに対し,非農業部門では製造業と比較して高い水準で推移している。このことからサービス産業では労働コスト上昇率はかなり高い水準となっていることが推測できる。これはサービス産業の労働生産牲上昇率が製造業より低いこと,及びサービス産業の時間当たり賃金上昇率が製造業より高めに推移していることによるものと考えられる。

サービス産業において賃金上昇率が製造業より高い伸びを示した要因を,ここでは産業別の雇用者構成比及び各産業における賃金上昇率に分けて考えることとする。87年~89年にかけて雇用者は全体で約620万人増加しているが,そのうちの大部分がサービス産業の雇用者の増加による。中でも小売業,医療サービス及び対事業所サービスで顕著な増加傾向がみられる。次に,賃金上昇率をみると87年5月~90年5月の間に小売業では11.3%と若干低い伸びとなっているものの医療サービスで19.8%,対事業所サービスでは16.0%の伸びを示すなど大幅な上昇率を示している。他方,同期間の製造業の伸び率は9.4%に止まっている。医療サービス及び対事業所サービスにおいてこのように大幅な賃金上昇率がみられたのは,景気の持続的拡大により労働市場がひっ迫していたのに加え,これらの産業では特殊技能が要求されることから必要な労働力を確保するためには賃金を上げる必要があったためと考えられる。このように,サービス産業において特に大幅な賃金上昇率がみられた分野で雇用者ウエイトが増加したことがサービス産業の全体の賃金上昇率を高める結果となったものと考えられる。

第2は,サービス産業は貿易不可能財であることが多く,海外との競争にさらされにくいために,海外からの安価な輸入品と競合する貿易可能財とくらべると,コスト増を価格に転嫁しやすくなっていることが挙げられる。

最後に,サービス産業では人件費のコストに占める比率が高く,中間投入比率が低いことから,中間投入財の値下がりによる価格引き下げ効果が表れにくいことが挙げられる。85年のI-0表によると,製造業の生産額に占める中間,投入比率が65.1%(建設業を除く)であったのに対し,サービス産業では35.4%であった。こうしたサービス産業における中間投入比率の低さは89年を通じて原油価格及び一次産品価格が下落したことによるコスト引き下げ効果が,財価格には表れたもののサービス価格には表れなかったことの要因といえる。

(制度的要因の高まり)

ここでは社会保障負担等のベネフイットコストの上昇,及び本年4月から実施された最低賃金の引上げに触れ,雇用費用の上昇要因としてこのような労働市場の需給状況に左右されない制度的費用が高まっていることについて述べる。

雇用費用の中には賃金及び給与以外に雇用主負担である社会保障税等の法定福利費,私的保険料である法定外福利費,有給休暇手当,一時金等雇用主負担となる賃金給与以外の費用(ベネフィットコスト)がある。雇用費用に占めるべフィットコストの比率は徐々に高まっており,90年には,全雇用費用の27.6%(民間部門)にも上っている。内訳をみると,社会保障税,失業保険等の法定福利費がベネフィットコスト全体の33%,その他法定外福利費である保険料が22%を占めている。第1-2-5図は,雇用費用の推移をみたものであるが,87年後半以降ベネフィットコストの上昇率は,賃金給与の上昇率を大きく上回って推移していることがわかる。これは,一つには,高齢化及び高度医療の進展に伴い,医療費が高額になってきていること等を反映して,賃金をベースに一定税率が課される社会保険税(社会保障税の一種)の税率が段階的に引き上げられていることや(86~87年7.15%,88~89年7.51%,90年7.65%と改定されている。),また,法定外福利費である私的保険料が上昇しているためと考えられる。更に,ベネフィットコストの中には,一時金など労使間の交渉を通じて決められるものもあるが,近年,労使交渉において賃金引上げに加え,雇用の安定,福利厚生の充実(医療手当,家族手当等)が問題とされるようになってきており,ベネフィットコストは,今後,高まっていくものと思われる。

低所得労働者に対して適用される最低賃金法は,賃金の下限となる最低賃金の限度額を定めている。最低賃金額は81年に時間当たり3.35ドルに改訂されて以来据え置かれていたが,90年4月から3.80ドル,91年4月から4.25ドルと段階的に引き上げられることとなった。この法律が適用されるのは,実際には賃金水準の低い小売業,サービス業の雇用考がほとんどであり,最低賃金の引き上げは主にサービス産業の労働コストの上昇にある程度つながっているものとみられる(第1-2-1表)。

以上みてきたような制度的要因は今後消費者物価の根強い押上要因となる可能性がある。こうした要因は,原油価格の高騰とともに,コストアップ要因として働き,景気維持とインフレ抑制の両立を難しくし,金融政策の運営を一層困難なものにすると考えられる。

(注) 国際商品市況の動向

国際商品市況の推移をSDR換算ロイター指数でみると,80年代前半を通じて低下傾向で推移した相場は,86年8月に底を打った後,石油価格の回復に伴う商品相場の上昇期待から強含みとなり,87年にはドル安を背景としたドル債券から商品への資金流入等から引き続き上昇基調を示した。88年には非鉄金属が世界的な景気拡大により需要が増大したことに加え,生産国の供給が減少したことから堅調に推移し,また共産圏,途上国の活発な買付けによる砂糖の需給ひっ迫や,タイヤ需要によるゴムの主昇,及び年央のアメリカ中西部の干ばつによる穀物相場の高騰から商品相場は急伸した。89年に入り,銅,鉛が生産の回復,暖冬によるバッテリー需要の減少等がらそれぞれ軟化,弱含みに転じた。その後,砂糖は堅調を維持し,鉛は再び上昇したものの,アメリカ穀物生産地で成育に適した天候が続きとうもろこし,大豆の生産が回復したことや,年後半からは市場でのアメリカ景気減速懸念により,相場は穀物,銅,亜鉛等の非鉄金属を中心に年間を通して下落し,12月にはピーク時から18%の低下となった(付図1-1)。

90年1月からは再び非鉄金属の生産障害が相次いだことから銅,亜鉛,鉛が上昇し,商品相場は堅調な動きとなった。年央には,前年に引き続き天候に恵まれた穀物が,南米産の不作や,調整品の好調により需給がひっ迫している大豆を除いて軟化したことから,やや弱含んだものの,8月には中東情勢の緊迫化による石油価格の高騰を受け,商品相場は緩やかに上昇した。その後,9月以降は落ち着いた動きとなった。しかし,今後,石油価格が高値で推移すれば,一次産品の生産コストや輸送コストの増大がら商品価格が高まる可能性もあり,相場の先行きは不透明なものとなっている。

3. 発展途上国の物価上昇率の動き

先進諸国では物価は一部の国を除きこれまでのところ安定的に推移しているのに対し,発展途上国では地域はより物価上昇率に大きな相違がみられる。特にラテン・アメリカ,東欧では他の地域と比較して高率のインフレが続いている。その最も重要な要因としてはマネーサプライの大幅な増加が挙げられる。

各国では種々のインフレ抑制政策を採っているが,新たな政策を模索している国も多い。

(消費者物価の動き)

消費者物価上昇率の推移を地域毎にみると(第1-2-6図),まずラテン・アメリカでは86年にはインフレ抑制政策の効果もあって一時落ち着きを見せたものの,87年以降物価上昇が再燃し,89年第4四半期には前年同期比400%もの物価上昇率を記録した。国別の動きをみると,特にアルゼンチン,ブラジル,ペルーでは四けたに上る物価上昇率となり,ハイパー・インフレに陥る一方,メキシコ,チリ,コロンビアでは厳しい財政緊縮政策及び金融引締政策により安定若しくは低下傾向にある。

東欧においては昨今の市場指向型経済への移行に伴い,一部の国では物価の急騰が見られた。ポーランド,ユーゴスラビアにおいては,80年代後半から物価は急騰しハイパー・インフレとなった。しかし,90年初頭からの安定化政策に上り鎮静化してきている。一方ハンガリ-でも自由化措置は進展しており,物価上昇率は比較的高い。チェコ・スロバキア,ブルガリアについては,改革はまだ途中段階であり急速な物価上昇には至っていない。

アフリカ,中東,アジア地域では,物価は安定的に推移している。しかしアジアにおいては景気の持続的拡大が続く中,タイ,マレーシアでは需給のひっ迫を主因として,また香港,韓国では労働力不足による賃金上昇を主因として物価はやや高まりをみせている。一方,中国では金融引き締めの効果及び名目賃金の安定的推移により落ち着きを取り戻してきている。

(物価上昇の主な要因)

ラテン・アメリカ及び東欧で大幅な物価上昇を引き起こした原因として,強い保護のもとで輸入代替工業化を進めたことによって生じた寡占的市場構造,経済政策の不安定性,インフレ期待に基づく投機的行動等種々の要因が考えられるが,基本的には,こうした要因を背景としてマネーサプライのコントロールに失敗したことに原因がある。第1-2-7図は,国別の物価上昇率とマネーサプライ(ここではM2のことを指す)との関係をプロットしたものであるが,特に物価上昇率が高い国では両者の間に強い正の相関がみられることがわかる。

では,ラテン・アメリカ及び東欧においてインフレ抑制政策がとられたにもかかわらず,マネーサプライが増加し続けたのはなぜであろうか。第1-2-8図は,この地域の中央政府の財政赤字の対GNP比とマネーサプライの増加率の推移をみたものである。特にラテン・アメリカでは,財政赤字の拡大とマネーサプライの増加との間に相関があることがわかる。東欧については,それほど強い相関があるように思われないが,これは中央政府には含まれない国営企業の赤字額が大きいためと思われる。

ラテン・アメリカでは国内金融市場が未発達のため,中央政府は財政赤字のかなりの部分を中央銀行からの借入に依存している。世界銀行年次報告(89年版)によると,75~85年の間に発展途上国が中央銀行からの借入によって債務を賄ったのは債務総額の47%に上り,高所得国の12%をはるかに上回るとされている。こうした中央銀行からの借入は国内金融市場からの国債による調達とは違い,貨幣の増発を通じてマネーサプライを大幅に増加させることになり,物価高騰の主因となったものと考えることができる。一方東欧では収益の上がらない企業に対し,これまで中央銀行により無制限に信用の拡大や補助金による補填が行われており,中央銀行に通貨供給量の決定権が与えられていなかったこと,また低金利政策がとられたため家計部門では金融資産保有のインセンティヴに欠け非自発的な過剰流動性が存在していたことが,過剰流動性増加の要因として挙げられる。市場経済への移行過程で価格統制が外されるとともにこうした過剰流動性が顕在化し,価格上昇圧力となって現れたものと考えられ

(各国の政策対応)

最後に最近時点の各国の政策対応について述べる。メキシコ,チリ,コロンビアでは金融引締め政策と緊縮財政政策を行いつつ,貿易の自由化,民営化等の中長期的な構造調整を行うことを目指しており,これらの国においては財政収支は黒字化し,物価は鎮静化している。一方,ブラジル,アルゼンチン,ペルーでは,経済成長を犠牲にせずに,一時的に物価・賃金の凍結を行うことによりインフレの鎮静化を目指したが,財政赤字の縮小及び金融政策の引締めが行われなかったために,価格凍結の撤廃と同時にインフレは再燃し失敗に終わった。ブラジルではこうした経験に基づき,90年3月から厳しい改革を狙いとした経済調整プログラム「コロール・プラン」を実施しており,96年央以降物価に落着きがみられる。

一方東欧でもユーゴスラビア,ポーランドにおいては賃金の抑制,補助金の削減,金融引締め等強固なインフレ抑制政策がとられ,おおむね成功している。

このように各国の政策対応を概観すると,財政・金融両面からの強固な引締め政策がとられた国においては物価は鎮静化に向かっている。