平成元年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1988~89年の主要国経済

第6章 イタリア:好調な成長続く

3. 生産・雇用

鉱工業生産は,84年以降増加を続けており,88年は前年比5.9%増と高い伸びとなった(87年同3.9%増)。89年に入って,1~3月期前期比1.0%減(前年同期比3.1%増),4~6月期同0.1%増(同2.6%増),7~9月期同2.8%増(同2.2%増)と増減はあるものの,総じて緩やかな増加基調にあり,その水準は非常に高いものとなっている。

財別生産動向をみると,88年は投資財が前年比8.4%増と高い伸びを示したほか,消費財も同5.4%増,中間財も同5.6%増となるなど,いずれの財も好調に伸びた。89年に入ってからは中間財が1~7月前年同期比3.5%増,消費財同2.8%増,投資財同1.1%増と各財とも伸びを鈍化させているものの,高水準を続けている。

業種別生産動向では,88年は大部分の業種で前年比増加となり,特に精密機器,自動車,タイヤ,医療品等で伸びが高かったが,89年に入っても自動車,タイヤ等多くの業種で前年同期比増加となっている。また,製造業設備稼働率(当庁季調値)は,生産の増加基調をうけて上昇を続け,89年7~9月期には80.8%と過去最高水準に達している(第6-1図)。

次に雇用情勢をみると,88年は好景気を反映して,就業者数が前年比1.3%増の2,110万人と小幅ながら増加した(87年同0.1%減)。88年の部門別の就業者数では,サービス部門が1,226万人(前年比2.5%増)と好調な伸びを示したほか,製造業部門も679万人(同1.1%増)と8年ぶりに増加に転じた。なお,農業部門は206万人(同5.1%減)であった。しかし,若年層や女子の新規参入により労働力人口は前年比1.3%増の2,399万人と高い伸びを続けており(87年同1.2%増)そのため失業者数は前年比1.9%増の289万人と増加し失業率も87年と同じ12.0%にとどまるなど雇用増にもかかわらず雇用情勢は厳しい。

なお88年の地域別失業率をみると農業地帯の南部では20.6%(87年19.2%)とさらに悪化しているのに対して工業地帯の北部では6.9%(87年7.8%)と改善しており地域間格差が一層拡大している。

また大企業の近代化・合理化のための活発な投資の結果人員削減が進み大企業雇用指数(80年=100)は88年70.8まで低下し80年の水準に比べ約3割の減少となっており中小企業がもっぱら雇用の受け皿となっている。

89年に入っても7月現在では労働力人口2401万人(前年同月比1.0%減)に対して就業者数2119万人(同1.3%減)失業者数289万人(同1.2%増)失業率(当庁季調値)12.2%(前期差0.1%ポイント増)となるなど,依然雇用情勢は厳しい状況が続いており,89年の年平均の失業率も前年と同じ12.0%もの高い失業率となっている(第6-2表)。


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