また,実質GDPの需要項目別の動向をみると,消費面では,実質個人消費が,実質賃金の増加等もあって,87年前年比4.3％増の後,88年1～3月期前期比1.9％増,4～6月期同1.2％増と高い伸びを示している。自動車販売台数をみても,87年月平均16.5万台(前年比8.3％増)と年間で史上最高を記録した後も,88年1～11月前年同期比9.3％増とさらに売れ行きを伸ばしている。

投資面では,これまで低迷していた機械設備投資が,87年前年比11.5％増と急増した後も,88年1～3月期前期比2.1％増,4～6月期同1.9％増と高い伸びを続けている。建設投資は,87年前年比1.3％減と不振を続けたが,88年1～3月期には前期比3.5％増と大幅増,4～6月期も伸びは前期大幅増の反動により,同1.4％減となったがその水準は高く回復傾向がみられる。そのため,実質総固定資本形成は,87年に前年比5.2％増の高い伸びを示した後,88年に入っても1～3月期前期比2.7％増,4～6月期同0.4％増と好調を続けている。

この結果,国内最終需要は,GDP増加寄与度で87年プラス4.4％(前年プラス3.0％)の後,88年1～3月期プラス1.8％,4～6月期プラス1.0％と好調を続けている。

一方外需面では,輸出は,87年前年比3.7％増の後,88年1～3月期前期比2.6％減,4～6月期同16.1％増となり,輸入は,87年前年比10.1％増と急増した後,88年1～3月期前期比3.6％減,4～6月期同6.7％増となりた。この結果,経常海外余剰は,金額では依然赤字となっているものの,GPP増加寄与度では87年のマイナス1.6％がら,88年に入ると前期比ベースで1～3月期プラス0.4％,4～6月期プラス1.8％へと好転している。