昭和63年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1987~88年の主要国経済

第4章 西ドイツ:輸出,設備投資が増加

3. 生産・雇用

(1)生産:資本財を中心に増加

鉱工業生産は,87年に前年比0.3%増のほぼ横ばいにとどまった後,88年に入ってからは,鉄鋼,電機を中心に順調な伸びをみせ,7~9月期は前期比1.6%増(前年同期比3.6%増)となっている。

製造業稼働率(IFO経済研究所調査)も6月の85.9%から,9月には87.4%へ上昇し,73年以来の高水準となった(参考:第4-5図)。

製造業新規受注数量をみると(第4-6図),87年春以降増加傾向にある輪出向けは,88年に入ってからもマルク相場の低下にともなって更に増加しており,7~9月期は前年同期を8.5%上回る高水準にある。また,87年中一進一退だった国内向けも,88年初来回復している(7~9月期の前年同期比5.8%増)。

(2)雇用者数増加続く

雇用情勢をみると,成長率が低いこともあり,目立った改善はみられない。就業者数はサービス業を中心に緩やかな増加を続けており(第4-3表),87年前年比0.7%増,88年1~8月も前年同期比0.5%増となった。

しかし,失業者数は,87年が222.9万人と前年並みにとどまり,季節調整値でみると,86年10~12月期の217.7万人から88年4~6月期には226.4万人に増加,7~9月期は225.8万へやや減少したものの,7~9月期の失業率は8.8%と依然高水準にある。これには,東欧諸国からのドイツ系住民の引き揚げ,トルコやイランなどからの難民の流入が88年に入って急増していること(86年4万人→87年8万人→88年,89年各20万人の見込み),女子の労働市場への参入といった労働人口の増加も原因している。

また,国内地域間格差が相変わらず大きく,造船や石炭,鉄鋼業など構造不況業種の多い北部は,電機,自動車産業などの多い南部の2倍の失業率となっている。年令別では,20才未満の若年の失業者は減少傾向にある。


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