昭和42年
年次経済報告
能率と福祉の向上
経済企画庁
第1部 昭和41年度の日本経済
3. 台頭してきた設備投資
民間設備投資のなかで,次第に増勢をつよめているのは,製造業部門の投資である。
製造業部門の投資は機械装置の比重が高いから,その増勢は機械受注の面にあらわれる。41年10月から製造業の機械受注は急増を示し,年末以降の受注水準は,6年ぶりに過去のピーク(36年半ば頃の水準)をこえている( 第10図 )。
機械受注は設備投資の先行指標であるから,その伸びが大きいことは,設備投資の増大を裏書きしている。42年度の設備投資計画を当庁調べの投資予測調査(着工ベース)でみると,資本金1億円以上では,全産業23%増に対して製造業34%増,1億円未満ではそれぞれ12%増,33%増となつている。前にのべたように,回復初期の主役は非製造業,とくに,中小企業の設備投資であつたが,42年度はこれに代わつて製造業,とりわけ大企業の設備投資が主役になるものとみられる。なかでも鉄鋼,化学,輸送用機械,電気機械,石油石炭製品などは,規模が大きく,伸びも高い。
こうした42年度の設備投資計画にみられる企業の投資意欲台頭の原因はなんであろう。