序言


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 經濟安定本部はこのたび、「昭和二十六年度・年次経済報告」、いわゆる第五次經濟白書を発表し、この一年間の經濟いわば總決算を試みた。この報告書には詳細かつ最新の資料が盛りこまれているので、この一年間における日本經濟の目まぐるしい動きと、今後の經濟問題とを理解して行く上で、いささかなりともお役に立ち得るものと考える。

 この報告書でも述べているように、日本經濟は動亂後、國際收支・企業經營其他の面にかなり好轉を示したが、最近ではその反動も現われ始めており、生活水準その他が低いことと相まつて、未だ眞の自立にはかなりの距離がみとめられる。われわれは過去一年間の成果を土台として、今後安定的な自立經濟の逹成に向つて努力せねばならないのである。

昭和二十六年七月

經濟安定本部總務長官 周東英雄

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