イタリアの財政4ヵ年計画
5月下旬の欧州連合蔵相定例理事会でイタリアは1年前に合意した財政赤字削減目標GDP比2.0%を2.4%に緩和することを要請し、認められた。これを市場は「EUの財政収支目標は簡単に修正されるもの」と捉え、さらに「EUの『安定と成長の協定』を反故にする可能性がある」との観測にまで発展し、財政赤字拡大に対する懸念からユーロ安を引き起こした。
イタリア政府は6月30日に2000~2003年の財政4ヵ年計画を閣議決定した。GDP成長率の見通しを下方修正する中で、緊縮的な財政目標を達成するために、政府は2000年予算で歳出を11兆5000億リラ削減することを示したが、年金制度の見直しなど解決すべき課題は多い。ユーロ圏ではドイツ、フランスに次ぐ経済規模を有するイタリアが今後どのようにして通貨統合参加国に課せられた財政運営の基準を達成し、足並みを揃えていくかが注目されている。