通貨統合参加国の利回り格差
99年1月にユーロが誕生し、単一金融政策が開始され、政策金利は単一になった。これにより、長期金利の各国間の格差も縮小するとの見方も生じたが、現状では依然として格差が残る。その理由としては主に、
(1)信用に対するリスクプレミアム:累積債務の高さ等から、各国国債の格付が異なり、これが金利差となって現れるもの
(2)流動性に対するリスクプレミアム:格付けが同じであっても、市場における、取引量や取引コストなど、取引の行いやすさにおいて各国国債間に差があれば、これが金利差となって現れるもの
が考えられる。
したがって、今後国債市場が統合に向かうとすれば、信用に対するリスクプレミアムは残るものの、流動性に対するリスクプレミアムは小さくなっていくと考えられる。
1.信用に対するリスクプレミアム
2.流動性に対するリスクプレミアム
(注) 格付は、Standard & Poors 社による。