付注2-3 消費関数の推計について

1 概要

家計レベルの消費支出の決定要因について、総務省「家計調査」の調査票情報を用いて分析した。

2 データ

総務省「家計調査」

3 推計方法

(1)推計対象・データセット

世帯主年齢65歳未満の2人以上勤労世帯で、2012年から2021年の間に調査開始したサンプルを対象とした。家計調査は6か月間調査が行われるが、すべての月について結果が取得できないサンプルや貯蓄・負債についての結果が取得できないサンプル、実収入から非消費支出を差し引いて算出する可処分所得が0以下となるサンプルは除いた。

なお、消費支出、収入に関する変数はすべて調査期間中の累計額を用いている。そのため、ここで構築するデータセットには、各世帯の動向が継続して記録されているわけではなく、各世帯のサンプルが1度限り記録されている。

(2)推計式

付注2-3 数式を画像化したもの

ここで、Ci,tは世帯i、調査時点tの消費支出。DYi,tは世帯i、調査時点tの可処分所得。Xi,tは世帯i、調査時点tの属性を示すベクトルで、定期給与比率(定期給与対世帯主収入比)、預貯金額及び預貯金額と可処分所得の交差項、負債額及び負債額と可処分所得の交差項、持家ダミー、年齢階級(~34歳、35~49歳、50~64歳の3区分)、世帯人員(2人、3人、4人、5人、6人以上の5区分)、18歳未満の子の有無、配偶者の有無・就業形態(雇用、雇用以外の就業、非就業の3区分)、2018年の調査票様式変更に係る変数(新様式の調査票による調査回数ダミー)、都道府県ダミーを含む。Tiは世帯iの調査時点を示すベクトルで、調査開始年ダミー、調査開始月ダミーを含む。また、年齢階級と調査開始年ダミーの交差項、配偶者の就業形態と調査開始年ダミーの交差項をそれぞれ追加したモデルについても推計した。配偶者の就業形態と調査開始年ダミーの交差項を追加するモデルについては、配偶者のいる世帯のみに限って推計している。

なお、家計調査の調査票に付されている集計用乗率で重みづけして推計した。

4 推計結果

付注2-3 表を画像化したもの