付注1-4 輸出による設備投資への影響に関する推計について

1 概要

輸出動向の設備投資への影響をみるにあたり、全産業、製造業、非製造業の3分類に分け、それぞれの影響度合いを比較した。

2 データ

設備投資(ソフトウェア除く)と経常利益は財務省「法人企業統計季報」で公表されている季節調整値を使用。輸出は日本銀行「実質輸出指数」、人手不足感を表す指標には日本銀行「全国企業短期経済観測調査」を使用。

3 推計方法

(1)推計式

通常、企業は、輸出や企業収益の動向を踏まえて設備投資を実行すると考えられる。また近年では人手不足による省力化投資も積極的に行われている。そこで、設備投資を被説明変数に、輸出の他、経常利益や人手不足感を表す指標を説明変数に加えて重回帰分析を行った。

付注1-4 数式を画像化したもの

設備投資、輸出、経常利益は前期比の数値、雇用人員判断DIは当期の値を使用した。また、リーマンショック、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、ダミー変数を入れている。設備投資と経常利益は、全産業、製造業、非製造業それぞれの数値を使用している。

また、通常景気が回復し、企業収益が改善した後に設備投資を実行する傾向がみられることから、全産業、製造業、非製造業それぞれにおいて、輸出は2期ラグ、経常利益は1期ラグを取っている。

(2)変数の定義と使用データ等

付注1-4 表を画像化したもの

(3)推計対象

期間:1990年第1四半期~2022年第3四半期

(4)推計結果

付注1-4 表を画像化したもの