第3章 成長と分配の好循環実現に向けた家計部門の課題

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成長と分配の好循環の実現には、多様で柔軟な働き方の拡大を通じて、女性、高齢者をはじめ、意欲ある人材に十分な就業機会が提供されるとともに、多様な人材が能力を高めながら活躍する場を選び、その能力を最大限発揮できる環境の整備が求められる。また、どのような働き方に対しても十分なセーフティネットが確保され、格差が拡大・固定化・再生産しないことも重要である。こうした問題意識から、本章では、家計部門の動向と課題について、感染症以前から生じていた変化を含めて、やや長い視点から整理することとしたい。

まず第1節では、正規・非正規雇用をはじめ、多様な働き方の広がりの動向を確認するとともに、働き方の違いによる処遇格差やセーフティネット面の課題について概観する。続いて第2節では、人手不足への企業の対応状況とともに、労働移動や人材活用の動向、リスキリング等学びの機会の状況について確認する。最後に、第3節として、所得や資産、教育、地域といった様々な観点からみた格差の動向について概観し、課題を考察する。

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