第3章 ポストコロナに向けた企業活動の活性化と課題

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新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の世界的な流行により、2020年の我が国経済は、非常に困難な状況に直面した。我が国経済は徐々に持ち直しの動きがみられるが、企業が受けたダメージは、決して小さくない。本章では、感染拡大やその防止策が講じられる下での企業活動と今後の課題について検討する。本章の構成は、以下のとおりである。

まず、第1節では、我が国企業の収益や政府による各種金融支援等を背景とした資金調達の変化について確認する。感染症によりもたらされた今次の危機をリーマンショックなどの過去の危機と比較をすることで、今次の特徴を明らかにする。

第2節では、企業収益の悪化と、それに対する各種金融支援等が併存する中での倒産動向について確認するほか、人口減少と高齢化が続く下で、後継者不足などの廃業をめぐる課題についても検討する。また、最近の開業の動きについても整理する。

第3節では、ポストコロナに向けた企業活動の活性化に必要な課題について、我が国企業の生産性動向を確認したうえで、M&Aによる事業承継等を含めた生産性向上に向けた課題について検討する。また、地域経済を支える地域銀行の収益性についても言及している。

第4節は、まとめである。

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