第2章 感染症の影響による雇用と家計の変化
第1章では、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という。)の影響による落ち込みから持ち直しつつあったものの、再び感染拡大に見舞われた最近の経済動向についてマクロ的な観点から分析した。本章では、こうした感染症の影響によって変化した雇用や所得を中心に家計動向について考察する。まず、雇用への影響を詳細に分析したのち、賃金・所得への影響を分析する。また、感染症の影響下にある我が国企業における雇用維持の取組や政府による雇用維持支援策に加えて、近年の我が国労働市場の特徴を概観し、全体としての雇用確保に向けた課題を考察する。