第2章 多様化する職業キャリアの現状と課題
平均寿命の伸長、急速な技術進歩、グローバル化などの経済社会構造の変化を踏まえると、今後の職業生涯は、変化が激しく、長期化することが予想される。そのような環境下で、職業人生を充実したものにするためには、就業と訓練・学び直しを繰り返すなど、技能を身に付け、多様な職業キャリアを形成していくことが重要になると考えられる。本章では、そのような多様な職業キャリアの形成に対して、日本の労働市場にはどのような課題があるのかについて分析する。
第1節では、職業キャリアの多様化が求められる背景を述べた上で、転職市場、副業・起業の動向を確認し、雇用の流動性に向けた課題を考察する。第2節では、就業構造の変化やAI(人工知能)等による影響を踏まえ、今後必要となる人材や能力について分析する。第3節では、必要となる技能獲得にむけた訓練や学び直しの現状と課題について述べ、第4節で全体をまとめる。