付注1-2-3 消費者物価と時給の関係
消費者物価と労働者の時給に関してVAR(Vector Auto Regressive)モデルを用いて推計し、グレンジャー因果性の検定結果によって、これらの関係を示した。具体的には消費者物価指数(コアコア(連鎖指数)、財・サービス別)、一般及びパートの時給の3つの変数の2006年1月~2016年10月までの月次データを用い、それぞれ前年比1階差について推計している1。
グレンジャーの因果性については、「ある変数が他の変数に影響を及ぼさない」、すなわち変数間の係数がゼロとなるという帰無仮説を検定し、これが棄却される場合には因果性があるものとして扱っている。なお、VARモデルのラグについては、統計量でみて5期が最も当てはまりがよい。
付注1-2-3 図 グレンジャー因果性(前年比1階差)
1 財については生鮮食品・エネルギーを除く財を用い、サービスについては家賃・通信料(携帯電話)を除く一般サービスを用いている。なお、時給については、定期給与額を総労働時間で除したものであり、財では製造業の時給を、サービスでは建設業を除く非製造業のそれを用いている。