第2章 持続的成長に向けた労働の役割

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我が国の景気は、消費税率引上げに伴う下押しを受けつつも、総雇用者所得が底堅く推移していることが、景気の回復基調を支えてきた。この背景として雇用者数の着実な増加と、賃金の緩やかな上昇傾向が挙げられるが、今後もこうした動きを持続させていかなければならない。長い目でみても、人口減少というトレンドの下で我が国の潜在成長率を高めるために、雇用者数を確保することの重要性は増している。さらに、デフレ脱却への動きを確かなものとしていくために、賃金が物価の上昇を上回って持続的に上昇していく経済を実現する必要がある。

こうした問題意識の下、第2章では、我が国の持続的な成長に向けた労働の役割に着目して、労働力と賃金の両面について、最近の動向と課題を検討する。第1節では、労働参加と失業率の動向から労働力の確保に向けた課題を検証する。第2節では、賃金に影響を及ぼす要因として、労働需給、生産性との関係を整理していく。

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