第2章 自律的回復への課題

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第1章では、我が国の景気が輸出や経済対策にけん引されて持ち直してきた姿を見た。今後は、生産活動水準が低いことによる調整圧力を克服しつつ、いかに自律的な回復へとつなげていくかが課題である。そのためには、企業部門から家計部門、外需から内需への景気の波及、支出・生産・所得の好循環の実現が鍵となる。また、持続的な成長の確保のためには、供給面での生産性向上による展望が拓けていることが必要である。こうした問題意識から、本章では、「過去の景気回復過程では企業と家計の関係はどうなっていたか」「外需から内需への波及の経路はどのようなものか」「供給面の改善は需要側の構造変化とどう関係しているか」などの論点について考える。

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