第1章 危機後の持ち直しの姿

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日本経済は、2008年9月のリーマンショック後に急速な景気悪化に陥ったが、2009年春頃には景気に持ち直しの動きが見られるようになった。その後も持ち直し傾向は続いているが、輸出とこれまでの経済対策にけん引されたもので、自律的な回復といえる状況には至っていない。また、生産活動水準が低いままであり、設備や雇用に対する調整圧力が依然として残っている。本章では、このような状況にある我が国の景気について、「今回の持ち直し局面の特徴は何か」「海外要因や経済対策はどのように景気に浮力を与えたか」「生産活動が低水準であることによる設備や雇用に対する調整圧力をどう考えるか」といった論点を考える。

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