第1節 金融市場の動向と日本経済(20)
(20) 収益還元法とは、不動産から将来生じる純収益を一定率で割り戻して現在価値を求める方法である。収益価格(P)は、一期間の純収益(C)、安全資産利子率(r)、リスクプレミアム(z)及び純収益の期待成長率(g)を用いて、P=C/(r+z-g)と求められる。この式から賃料の先行き期待(g)が高いほど収益価格(P)は上昇する。一方、投資家の利回り(i)は、物件の取得価格(P)に対する一期間の純収益(C)の比率であることから、i=C/P=r+z-g と求められ、この式から賃料の先行き期待(g)が高いほど利回り(i)は低下することが示される。