第2節 資金の流れからみた企業行動の変化とその背景(34)
(34) インプライド・フォワード・レートを用いた金融政策効果の分析としては、白塚・藤木(2001)、杉原・三平等(2000)、竹田・矢嶋(2003)がある。白塚・藤木は厳密な瞬間フォワードレートを計測し、ゼロ金利政策に一定の緩和効果があったとしている。一方、杉原・三平は他の経済変数を制御した上で、ゼロ金利政策導入を含めたコールレートの変更は3年程度の比較的短期では将来の長期金利に影響するものの長期には効いていないとしている。竹田・矢嶋は、量的緩和導入時には多くの満期国債に対する限界的プレミアムを低下させることにより、時間軸効果を発揮したと分析している。