第2節 資金の流れからみた企業行動の変化とその背景(30)
(30) P*(ピースター)とは米FRBによってインフレの先行きを示す情報変数として開発された概念であり(Hallman et al. 1989)、マネーサプライの実績および財サービス・貨幣市場の均衡と整合的な価格水準として定義される。実際の物価PがP*と乖離していれば、そのギャップが調整される方向に働くという考え方を採り、ケンブリッジ方程式(Mv=PY)の関係から、GDPギャップに加えて貨幣の流通速度(ないしマーシャルのk)のトレンドからの乖離が物価の決定要素となると考える(Hoeller and Poret 1991)。