第1節 金融市場の動向と日本経済(2)
(2) 中国向け輸出が年初に鈍化した要因としては、このほか経済発展に伴う自給能力や輸出能力の向上、外資企業の部品等の現地調達比率の上昇等が指摘される。こうした点を競争力の観点からみるために対中国に限って貿易特化係数をみたものが付図1-2である。これによると、鉄鋼等では輸出能力の向上から特化係数の低下がみられる一方、IT関連の中では音響映像機器や通信機等の汎用品を多く含む品目に比べ、半導体等電子部品や科学光学機器等ではある程度の競争力を維持していることが分かる。