1節 景気循環の特徴とその変化(18)
(18)後に述べるように、消費マインドの背景の一つとして失業率等の雇用関連指標の動きがあるが、若年層については、賃金構造基本調査では 2003年の所得の伸び率はプラスに転じ、他の年齢層に比べてわずかながら高いものの、この層の雇用情勢自体が改善しているという状態にはない。それにも関わらず若年層のマインドが改善している背景には、経済全体の雇用情勢等が改善していることに加え、人々の所得の先行き判断が、過去の所得の伸びとの相対的な比較によって決められるものであると仮定すれば、バブル以前を経験している年齢層に比べ 20歳代の若年層ではそのような心理的な作用が働かず、足元の所得環境の改善がマインドの改善に直接的に影響していること等があると考えられる。