第5章 地域別の人口・経済データ
コラム(人口・経済データで特徴のある市区町村)
【群馬県南牧村】
65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合である高齢化率は市区町村によって大きな差があり、50%を超えている地域も存在している。その中でも群馬県南牧村の2010年時点の高齢化率は全国一高く、1980年17.4%、1990年25.7%、2000年44.9%、2010年57.2%と急速に高齢者の割合が増加している。また、人口1,000人当たりの出生数である普通出生率は、高齢化の影響もあり、南牧村の2010年時点の普通出生率は全国で最も低い1.6となっている。
南牧村は、昭和30年3月に磐戸村、月形村、尾沢村の3か村の合併により誕生した。県の南西部に位置し、南は多野郡上野村に、西は長野県佐久市と佐久穂町に、北から東は下仁田町に接している。村のほぼ中央を南牧川が縦断し、これに沿って主要地方道下仁田臼田線が走り、集落のほとんどは、この下仁田臼田線及び南牧川の支流に沿って発展している。
かつて農業の中心はこんにゃく・養蚕だったが、価格の低迷等により急激に減少した。それに換わる特産品として気候風土にあった作物を積極的に導入し、菊を主体とした花卉類、ブドウ、リンゴ、ゆず等の果樹類、インゲン、オクラ等の野菜類を生産し、量的には少ないが、なんもくブランドづくりを進めている。また、林業面では、間伐材を有効活用した炭製品が注目を集めている。防臭防湿の住宅資材や、園芸用品のほか、微粉炭を食品に混ぜた特産品つくり(コンニャク、お菓子、うどん、ラーメンなど)に商業関係者が積極的に取り組んでいる。
2010年国勢調査における産業別就業者数及び構成比をみると、第一次産業104人(11.6%)、第二次産業349人(38.8%)、第三次産業446人(49.6%)と、第二次産業の就業割合が高いという特徴がある。ただし、村内に大規模な産業がないため、就業者の大半は近隣の市町村へ通勤しており、村内で労働力を吸収することが困難な状況となっている。
このような状況の中、南牧村では村外からの移住者を呼び込むための施策に力を入れており、保育料及び学校給食費の免除、高校入学及び通学費補助金の交付、転入者に対する子育てを支援する転入奨励金や住宅の建築及び改築時に支給する定住促進奨励金などの定住化対策を実施している。
400年以上も昔から伝えられてきた県内に残されている最大級の火祭り。
特産品として様々な炭入りの食品が作られている。