第3章 女性の就業と出生を巡る課題と対応
我が国においては、生産年齢人口が減少し、高齢化が進む中、経済社会の活力を維持するため、男女共同参画社会の実現に向けた取組を進める中で、女性の活躍促進は重要な課題となっている。同時に、現在進行している少子化は今後の社会経済に与える影響も大きく、特に、2019年の新生児数が前年を大幅に下回り86万人台となったことは「86万ショック」とも言われ、大きな衝撃をもって受け止められている。
女性の活躍促進と少子化対策を同時に進めるためには、誰もが働きやすく、子どもを産み育てやすい社会を構築することが必要である。そういった問題意識に基づき、本章においては、女性の就業と出生を巡る課題について、国際比較や国内の地域間比較、また就業や出生を取り巻く経済社会環境の変化について着目し、分析を行った。
第1節では、女性の就業と子育てを巡る現状と課題について、分析を行う。どのような要因が就業を促すのか、制度や環境等についてそれぞれ分析を行い整理する。
第2節では、女性の継続就業と結婚・出産等のライフイベントを巡る現状について整理し、出生に影響を与える要因、また出生率の向上と女性の継続就業を両立するための課題について整理する。