第2章 働き方の変化と経済・国民生活への影響

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我が国では、緩やかな景気回復基調が続き、雇用・所得環境が改善している中で、有効求人倍率がバブル期並みの水準になるなど人手不足感が高まっている。長期的にみても、少子高齢化・人口減少が進み、人手不足が継続することが見込まれており、我が国経済の持続的成長のためには、労働参加率を高め、かつ生産性を向上させていく取組が求められる。こうした観点からは、政府が取り組んでいる「働き方改革」を推し進めていくことは、誰もが生きがいを持って、その能力を最大限発揮できる社会を創り、労働市場を起点にして、我が国経済全体の活性化に資するものと考えられる。

本章では、この改革がもたらしうる経済や国民生活への影響について、特に長時間労働の是正、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、柔軟な働き方の導入、女性・若者・高齢者を含めた人材活用や就業促進の取組に焦点を当てて分析を行う。

第1節では、労働市場の需給の現状を概観した後、労働参加率や労働時間、正規・非正規の賃金格差などの現状とその要因について分析し、働き方改革が必要とされる背景について考察する。第2節では、長時間労働の是正、柔軟な働き方、同一労働同一賃金の実現といった働き方改革が、労働生産性や労働参加率などの生産活動面に及ぼし得る影響について分析する。第3節では、働き方改革による国民生活への影響を考察する。最後に上記の分析を踏まえて、企業や政府が今後取り組むべき課題についてまとめる。

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