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第3章 我が国経済の構造変化と産業の課題

経常収支は東日本大震災(以下「大震災」という。)後に黒字幅が縮小し、2013年秋以降、おおむね均衡して推移する中で、赤字となる月もみられる(以下「経常収支の赤字」という。)。経常収支の赤字は、大震災に伴う鉱物性燃料の輸入増加によるところも大きいとみられるが、我が国経済の構造が予想以上の速さで変化し、構造的な課題が生じつつあることを示唆しているのかもしれない。仮にそうだとすれば、経常収支の赤字が示唆する警鐘を活かすか、見過ごすかは日本経済の将来にとって重要な岐路となる。

こうした問題意識から、第1節では経常収支の赤字が問いかける論点を整理する。第2節では製造業や事業所向けサービス産業が外で「稼ぐ力」(付加価値を生む力)を高めていくための課題、第3節では個人向けサービス産業が高齢化・人口減少に対応したニーズに応え、生産性を高めていくための課題について検討する。

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