付注1-1 輸出の所得・価格弾力性と調整速度の推計について

1.輸出は、長期的に輸出相手国の所得、及び輸出の相対価格に依存すると仮定して、輸出の長期均衡式を推計した。

(推計式)

輸出関数:lnEX0+γ1×lny*+γ2×lnRXPEC

ただし、lnEX:自国の輸出(実質輸出の対数値)、lny*:輸出相手国の所得(輸出相手国の実質GDP対数値の輸入額ウエイトによる加重平均値)、lnRXP:輸出の相対価格(自国の輸出デフレーター/各輸出相手国における競争国の輸出デフレーターの輸出額ウエイトによる加重平均値)、EC:誤差項。

推計値のうちγ1が長期的な輸出の所得弾性値、γ2が価格弾性値である。

2.長期均衡から輸出が短期的にかい離した場合に、長期均衡にどの程度迅速に向かうかについてエラーコレクションモデルを推計して検証した。

(エラーコレクションモデルの推計式)
ΔlnEX=β0+β1×EC(-1)+β2×ΔlnEX(-1)+β3×Δlny*(-1)+β4×ΔlnRXP(-1)+ν

ただし、ν:誤差項、Δ:前期差。

推計値のうちβ1が輸出の調整速度を示す。

3.参考文献

Wu, Yi (2008),“Growth, Expansion of Markets, and Income Elasticities in World Trade,” Review of International Economics, Blackwell Publishing, vol.16 (4), pages 654-671, 09.