第1節 経済構造の変化とマクロの生産性の関係(6)
(6) 井出(2005)の試算では、低資本コスト下での日本の全公開企業の経済付加価値(=税引き後営業利益<投下資本×投下資本利益率>-総資本コスト)は、1995年から2002年まで一貫してマイナスであったとしている。また、非効率な資本蓄積が産業の技術革新の停滞や資本市場の資金配分の歪みを生じさせ、むしろTFPの伸びを低下させた可能性として、低金利貸出によって金融支援を得て生きながらえている経営不振企業(いわゆるゾンビ企業)を取り上げたCaballero, Hoshi and Kashyap(2003)がある。