第2節 ゼロ金利解除後、安定的に推移してきた金融市場(23)

(23) 実際に観察される市場金利から先行きの政策金利の見通しに関する情報を抽出した結果については、幅を持って解釈する必要がある。例えば、ここで取り上げたOIS市場は市場規模が拡大傾向にあるが、取引参加者の構成にやや偏りがある点には留意が必要である。これに対して、ユーロ円金利先物などのターム物レートを利用する場合、翌日物(O/N)レートとのスプレッドを特定する必要がある。さらに、より長期的な見通しを観察する場合、将来の不確実性に対するリスクプレミアムも考慮する必要もある。ここではごく簡便にユーロ円金利先物(3カ月物)の原資産であるユーロ円金利(3カ月物)と無担保コールレート(O/N)の現行の乖離水準(0.2%弱)をユーロ円金先とのスプレッドと仮定しリスクプレミアムを考慮しない形で政策金利の見通しをみている。