第2節 官から民への様々な手法(24)

(24) ユニバーサル・サービスの費用負担方式には、それぞれ利点と弱点がある。内部補助方式は、その実施費用は小さいが、独占的事業者を前提にしており、ユニバーサル・サービスを維持するために料金を高く設定しなければならず効率的な資源配分の観点からは歪みが大きい。アクセス・チャージ方式は、新規参入事業者を認めるものであるが、アクセス・チャージの算定に恣意性が入る可能性があり、競争上必ずしも中立とはいえない。ユニバーサル・サービス基金方式では、一定の条件を満たせばどの事業者でもユニバーサル・サービスの提供により基金から補助を受け取ることができるため競争上は中立的であるが、費用算定や費用徴集に関する管理費用がかかる。直接補助方式では、利用者が事業者を自由に選択できれば、競争原理が働くが、事業者が存在しない状況では機能せず、また、財政的に大きな負担がかかる上、補助対象の選定などにも費用がかかるという問題がある。